2016年6月22日水曜日

前鋸筋で押手の伸びを学ぶ

学ぶシリーズ011

アーチェリーの一流選手と普通の人との大きな違いは、脇の下の筋肉(前鋸筋(ぜんきょきん)が発達しているところだと言われています。

前鋸筋は、脇腹の肋骨と肩甲骨の裏をつなぐ筋肉で、肩(肩甲骨)を外側に押し出します。




The Serratus Anterior muscle controls the scapula when extending prior to the release.

☜リリース前に伸びるとき、前鋸筋は肩甲骨を制御します





前鋸筋をうまく使えば、楽にクリッカーが切れ鋭いリリースが可能になりますが、前鋸筋は意識して動かすことが難しい筋肉です。

前鋸筋が動いていることを感じるには、
  1. 腕を「前へならえ」のように出します
  2. 肩が動いていない状態から、腕をさらに伸ばそうとしてみてください
  3. 肩が前に出ていきます
  4. 片方の手で、突き出ている腕の脇の下を触れると、筋肉に力が入っているのが感じられます
  5. この筋肉が、前鋸筋です
肩甲骨は
  1. 挙上(肩をすくめる)
  2. 下制(床を押してお尻を持ち上げる)
  3. 上方回旋(腕を上に挙げる)
  4. 下方回旋(腕を下に下げる)
  5. 外転(腕を前に出す・胸を閉じる)
  6. 内転(腕を後ろに引く・胸を開く)
という6通りの動きがありますが、
前鋸筋はこのうち肩甲骨の外転運動を行います
肩甲骨の外転運動は体の中央に寄っている肩甲骨を外側へ開く動きをし、伸びきった腕をさらに外側へ押し出す力も前鋸筋です。
ぎりぎり手が届くようなものをつかもうとするときに最後に伸ばす動きをするのはこの前鋸筋です。

エアー素引きで引手を学ぶに書いたように、弓を引く引手は内転運動で広背筋(広背筋で引手の肘を学ぶ )を使いますが、リリース前の伸びは、前鋸筋を使って肩を外側に押す外転運動でクリッカーをおとします。

引手側でクリッカーが落ちる寸前まで引いている状態で、クリッカーを落とす距離はほんの数ミリなので、前鋸筋でほんの少し肩を外側に動かすことさえできれば、自分のタイミングでクリッカーを切ることができます。

前鋸筋を意識して使うことができれば、簡単な話ですが、前鋸筋は意識して動かすことが難しいので別の意識の仕方を考える必要があります。

私は、クリッカーを切るタイミングで、押手の親指と指示指を、脇の下を意識しながら、さらに前下に出し届かないものに触る意識 (押手を押す意識はだめ、肩が上がり震える)をすることで、肩が外側に動くようになり、クリッカーが1cmほど後ろにさがりましました。

意識の仕方は、それぞれなので、押すのではなくて伸ばす意識の仕方を考えてみてください。(このとき、引手がわの引き続けるを忘れずに!!)

クリッカーの切り方(伸び方)にはいろいろ流儀があるようですが、

<私の場合は、 押手---外転、引手---内転 です。 

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