また、Uukhaの取説には、次のように推奨されるハンドルとリムの組み合わせが記載されています。(以下引用)
Recommended setup:
AMO draw bow riser limbs
length
27'' 66'' 25'' 66''(ショートリム)
28'' 68'' 25'' 68''(ミディアムリム)
29'' 70'' 25'' 70''(ロングリム)
30'' 72'' 27'' 70''(ロングリム)
31'' 74'' 27'' 72''(エキストラ・ロングリム)
AMO draw length = distance in inches between the nock and the pressure button + 1.75 ''.
72 '' limbs are only available for Vx+ model.
注)
Uukhaは23"のハンドルはありません
riserはハンドルのこと
現在、リムのサイズは25"のハンドルに付けたときのBow Sizeで呼ぶようです。(Win&Winの最新カタログも、66"、68"、70"となっていました)
両社の推奨サイズは微妙に違いますが、なぜ、引き尺(draw length)の短い人には小さい弓サイズ(bow size)が推奨されているのでしょうか。
今回は、そのあたりを考えてみます。
会話で同じ用語でも意味が人により違うことがあります、特に「引き尺」(Draw Length)は違うことがあり、話が成り立たないことがあります。
まず、ここで使用する用語をArchery Trade Association (ATA)(昔はAMOと言っていた)の引用で説明します。
1)弓サイズ・弓の長さ(Bow Size or Bow Length)
2)引き尺(Draw Length)
3)強さ・ポンド(draw weight)
1)引き尺が短い人(一般に背の低い人)が、長い弓を引くと、引き込み不足になり
2)引き尺が長い人(一般に背の高い人)が、短い弓を引くと、引き込過ぎとなる、
と言われています。
1)は、弓の性能を100%は発揮できない(矢速が遅くなる)が、弓を射ることに問題はない 2)は、Stacking Pointを過ぎて、弓が引き難くなり、さらに引くと危険である
と言われています。
Force Draw Curveは、弓を引いたとのリムからの力(左の軸)とリムに蓄えられるエネルギー量(曲線の下の面積)を引き尺(Draw Length 下の軸)との関係で表すグラフです。(矢速を考える 参照)
引き始め、Brace Heightから一気にリムの反力が上昇し、その後、引き込み量に合わせてリムにエネルギが緩やかに蓄えられます。
リムの反発力の上昇率(曲線の傾き)が、Brace Heightから曲線に引いた接線に近づく直線部をSweet Spotと呼び、リムが高い効率を示す引き尺です。
Brace Heightから曲線に引いた接線との交点をStacking pointと言います。
3)「弓の性能を100%は発揮できない」わけ
フルドローの時にSweet Spot付近まで弓が引かれていることを前提にリムは設計されす、その付近でリリースされたときリムの能力が発揮されます。
Re-curve(後ろに反り返った)Bow(弓)の特徴は、リムの先端の反り返った部分が反発力の源であり、その部分の反発力を効率よく使うには、リムから弦が十分に離れる必要がありますが、引き尺が短い人が長い弓を引くと、リムから弦が十分に離れません。(写真参照)
Stacking pointより更に引き込むと、急激にリムの反発力が強くなり、弓が引き難くなります。(リムが硬く感じられる)
さらに弓を引き、リムと弦がなす角度が90度付近になると、弓を引く力はリムから弦を外す力となり、弦が外れる可能性があり非常に危険な状態となります。
3.引き尺と弓のサイズ
引き尺が短い人でも、引き尺に合ったサイズの弓を選ぶことで、フルドローの時に効率のよいリムの形を作ることができます。
図は、68"Bowのサイズを1として、各弓のサイズに合わせて図を拡大(70"Bow)及び縮小(66"、64”Bow)したものです。
各図とも弦とリムがなす角度は同じで、相似則が適用できない寸法は、DLPP(Draw Length Pivot Point)に1 3/4”加えてATA Draw Lengthを求める部分です。
この部分を考慮して、各弓のリム効率の良い引き尺を求めてみます。
68"Bowの引き尺 が28"(ATA Draw Length)の時、リムの形(効率)がよいと仮定します。
ことのき、引き尺のDLPP部は、相似則により弓の長さに比例するので、各弓の引き尺をATA Draw Lengthで表すと、
(Bow Size/68"Bow Size)x(ATA-28"のDLPP(28-1.75))+1.75
となります。
実際に各弓のリムの形(効率)がよい引き尺は、
70"Bow --->70/68(28-1.75)+1.75=28.8"--->29"
68"Bow --->68/68(28-1.75)+1.75=28"
66"Bow --->66/68(28-1.75)+1.75=27.2"-->27"
64"Bow --->64/68(28-1.75)+1.75=26.5"--->26"
となります。
最初に書いたUukhaの取説と同じ結果ですが、意図したものではありません。
「弓サイズと引尺を考える その2」は、Uukhaのリムデータを用いてForce Draw Curveを描いてみます。
0 件のコメント:
コメントを投稿