2014年8月8日金曜日

矢を作る (シャフトカット編)

第323回 練習

点取りをしてると、時々グルーピングから外れる矢があることが気になっていました。

単なる偶然か、特定の矢が外れるのか、調べてみました。

8本の矢(12本あったのですが、10ケ月で4本破損)の矢番ごとの点数を取ってみました。

その結果、5本の矢は、平均が9点程度でしたが、3本は平均が7.5〜8点でした。

手持ちが8本なので、点取りの時に必ず外れ矢が1本含まれることになります。6本中に3本含まれると、36射-30mで10点程度悪くなります。

特に、3本の内2本は、明からなはずれの特徴があります。

No.101の矢: 矢の振動が目に見えるほど大きい (どこに当たるかは神のみぞ知る)
No.106の矢: 必ずグルーピングの右端にくる(8点から7点)
No.112の矢: 時に大きく外れる

と言うことで、点取り用の矢を5本追加することにしました。(ACE用の110grのポイントが5ケ手元にあったので5本です)

本数が半端なので、ACE670 C2のシャフトを購入し自作することにしました。(他の部品は手持ちの予備を使います)

と言うことでここから、表題のシャフトカットの話題に移ります。

シャフトのカットで重要なことは、
   ・長さの誤差(バラつき)がないこと
   ・切断面がシャフトに直角であること

ですが、5本のためにシャフトカターを買うのも無駄なので、手持ちの工具で対応することにしました。

使ったのは、工具箱に入っていたものと自作の治具です。

シャフトカットの道具
a. 2つの金属パイプ
a1:左端の上側のパイプは、ステンレス製で外形6mm、内径はACEのシャフト外形とほぼ同じに加工してあります。(シャフトにかぶせて、カットの位置を決め、カット面がシャフトに直角になるように使います)

a2:下側のパイプは、縦に切れ目が入ったやはり外形6mmのパイプで、ステンレス製のパイプの位置がずれないようにするものです。(材質は、銅合金で柔らかいもので、ばねの効果でシャフトをしっかり掴みます)

b. 細目刃の鋸
左から2番目の鋸は、鋸刃の目が細かく、バルサ材を切るための鋸で、シャフトのカーボン部を切るのに使います。

c. パイプカッター
右から2番目のパイプカッターは、小径のパイプ用で、アルミパイプを切るのに使います。

d. やすり
右端の平やすりは、金属用の目が細いもので、アルミの切断面をカーボンの断面に合わせるのに使用します。(パイプカッターの方が鋸よりわずかに刃が薄いので、微妙な段差ができます)

e. シャフト長コピー器
下の写真のシャフト長をコピーする自作治具で、カット位置を正確に決めるために使います。

1. シャフト長をコピーする
シャフト長を使用中のものと全く同じ長さに仕上げる必要があります、そこでシャフトの長さを正確コピーする治具を作ってみました。

矢長コピー治具
治具に完成矢を載せて、ノック部を固定しシャフト/ポイントの接続部が、0.1mmの金属の板の淵に収まるように中央の接続ねじで調整します。
ポイント部拡大
新しいシャフト(ノック付)に、a1,a2のパイプを入れ、ノック部を治具に固定し、a1(右側)のパイプの端が金属板の淵に接触するように調整し、a2(左側)のパイプでa1を固定します。
シャフトの切断位置
これで、a1のパイプは左側(ノック側)には移動しなくなり、a1の端面がカット面となります。


2. カーボン部の切断
bの細目の鋸で、a1の端面に沿って鋸を動かし、カーボン部分だけを切るようにシャフトを回しながら切っていきます。(写真では、鋸が横に向いていますが、切るときはもちろんシャフトに垂直です)

カーボン部の切断


3. アルミ部の切断
鋸でアルミ部も切れますが、刃がアルミにひっかかり断面が荒れるので、アルミ部はcのパイプカターを使用します。
アルミ部の切断

鋸で入れた切れ目にパイプカッターの刃を合わせ、パイプの方を回して切断します。(カッターを回すのが普通ですが、力を入れ過ぎるとカーボン部が剥離することがあります)

カッターの刃の出し方は、パイプを5回ほど回したら1/16回転ノブを絞めこむ程度の弱い力で行います。(ノブ半回転でアルミ部は完全に切断されます)

はじめからパイプカッターを使っても切断できますが、位置決めができないことがあります。(カーボンに切れ目がないとカターの刃が横滑りすることがあります)

4. 仕上げ
断面にa1,a2のパイプを取り付け、やすりでカーボンとアルミの段差をなくします。(a1のパイプをつけることにより、シャフトに直角にやすりを動かすことができます)

やすりで段差とりぱいぷ
シャフト内面の端を面取りし、完全にバリを除きます。
ナイフで内面の面取り
5. 内面の掃除
綿棒の片側にアルコールをつけ、シャフト内部に入れ4mmの鋼線で反対側に押し出します。

内部処理
鋼線は、20cmほどしかありませんが、綿棒・鋼線を入れてシャフトを上下に7-8回振ると、鋼線の重みで綿棒が下から出てきます。

これで、1本あたり5分程度でカット完了です。
次回は、線引き名前入れです。


蛇足:
模型飛行機のモータにダイヤモンドカターをつけてみました。
このカッターを使えば、カーボンとアルミを同時に綺麗に切断できます。

切断面もシャフトを回しながら切ればシャフトに直角に切れますが、切断位置を正確に決めるには、1,2の方法で、シャフトの切断位置に正確な切れ目を入れてからカッターを使う必要があります。

刃の軸方向に多少の遊びがあり、切れ目が入っていないと切断位置が動き、同じ長さのシャフトができません。(今後の研究課題です)


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