この式は、アーチェリーのサイトの設定を行うための基礎式で、1.386は多数の実績から導き出された数値であるとのこと。(物理学の理論式から導かれたものではないと。)
y: サイトの値(単位は無次元) (注 2022/10/03 修正)
x: 的までの距離(単位はm)(ターゲット競技では、18m、30m、50m、60m、70m、90m)
a: サイト曲線の傾き (注 2016/07/18、2017/4/27 追記)
c: 距離 0 mの時のサイトの値(グラフの切片)
aは、矢の発射速度で決まる数値で、弓と射手の組み合わせで変化します。
Cは、サイトの取り付け位置で変化する数値です。
注)放物線(空気抵抗がない2次曲線)の場合は、y=aX+Cとなり、1.386が1になります。(脚注)
このaとCを決定するには、2つの距離でサイト取りをした実射データが必要になります。
私の実射データの、X30=30mのサイトY30=27.8mm、X50=50mのサイトY50=60.0mmの場合で、aとCを求めてみますと
a = 0.280
c = -3.46
を得ます。
(解き方は、a,Cを変数として連立方程式を解くだけで、
a = (Y30ーY50) / (X30^1.386ー X50^1.386)
C = Y30 ーaX30^1.386
)
このa,Cは、私の弓、矢、射形、体格の組み合わせに対応した、私個人の係数となり、チャートにすると
ですが、今時、グラフから読み取るも面倒なので、表にしてみました。
このサイト計算式は、飛翔時に矢に作用する外力(重力、空気抵抗等)の影響を実験で求めたものだそうです。
距離が短い場合、空気抵抗の影響が無視できるため、空気抵抗を含まない重力の影響による放物線の飛翔曲線とほとんど同じ曲線となります。
理論的な解明はしていませんが、この式の適用範囲は矢の発射角度が上向きの場合のみで、私の場合、15m以上の距離から適用できるようです。
サイトの計算式をベースに矢の仰角(水平から上に向ける角度)を計算し、空気抵抗のある場合の飛翔曲線を初速64m/sの矢で作成してみました。
厳密な計算ができるわけではないので、矢のCd(抗力係数:空気の抵抗を決める係数)を好い加減に設定して、高さの頂点が距離で3:2(50mで30m)の位置になるように調整しています。
3:2の比で、経験的に的の近くで急に矢が落ちる感じをだしています。
この計算ベースでは、70mの場合、空気抵抗がない場合に比べ、仰角は約1.9倍、50mでは約1.7倍、30mでは約1.3倍なっています。(15mで1倍)
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脚注) 放物線(空気抵抗がない条件の矢の飛翔曲線)からのサイト計算式(1.386が1の式)
Y = aX + C
は、下の放物線の飛翔の式から導くことができます。
X = v*v*sin(2Θ)/g
X: 到達距離
v: 初速(空気抵抗がないので、水平方向の速度は変化しない)
Θ: 矢の発射角度
g: 重力加速度(地球の引力)
vは、弓・矢・射方を変えなけば一定です、また、gも一定です。
よって、到達距離Xは、発射角の関数sin(2Θ)に比例することになります。
X ∝ sin(2Θ) (∝は比例を表す記号)
sin(2Θ)はΘが小さいとき2Θに近似できます。(サイトを考える範囲では、sin(2Θ)=2Θとみなせる)
よって、
X ∝ Θ (Xは発射各Θに比例する)
一方、サイトの目盛りYと発射角Θ関係は、矢が水平な時のYを0とすれば
Y = L*sin(Θ) (Lは目からサイトまでの距離で一定)
で表され、sin(Θ)はΘに近似できるので、
Y ∝ Θ (目盛りYは発射角Θに比例)
となり、
Y ∝ X (目盛りYは距離Xに比例)
となり、到達距離Xに比例してYが増えることになります。
放物線のサイト計算式は、
Y = aX + C
で表され、1.386が1の式となります。
a,Cは一番上の1.386のついた式と値は違いますが、定数です。
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