2014年5月2日金曜日

統計学入門 その2 (距離別得点)

前回に続き、極座標に座標変換した正規分布を使って、距離と得点の関係を検討してみました。

ターゲット競技の距離と言えば、18m(インドア)、30m、50m、70m、90mですが、90mは全く興味がないので、それを除いて検討してみました。

今回検討したことは、 
  1. 30m 36射 300点程度のアーチャーは、
       50m,70m,18mで何点とれるか?
       18m 縦3つでMを撃つ確率は?
       ファットボーイは18mで何点ぐらい有利なのか?
            グラフは、Big Boyと書きましたが、Fat Boy?ではないかな?

  2. 30m 36射 320点程度のアーチャーは、


σr(極座標の標準偏差)を使って検討していますので、σrの簡単な説明をします。
σrとは、データのばらつきを表す数値で、極座標(的の円)の場合、中心からの距離を表す数値です。

たとえば、80cmの的で、σr=1.78は1.78*40mm=71mmで、的の中心から半径71mmの円の付近(9点の8点より)が、当たる確率が一番高いことを表します。

また、σrの内側(高得点側)に当たる確率は、39%です。残りの61%は、それより外側になります。


1.30m 80cm-36射で平均300点程度を出せるアーチャーの場合

30m 80cm-36射で平均300点程度のグ-ピングのσ30r(極座標の標準偏差)は、1.78です。(半径71mmの円、60End(360射)で、1End程度すべてゴールドにはいる実力)

このσ30rが、50mでは、 
   σ50r=σ30r x 30/50 =2.97 (半径118mmの円)となり、
   その得点は、50m-36射 247点 平均6.9点

70mのσ70rは、
   σ70r=σ30r x 30/70 x 61/40 =2.73 (半径166mmの円)となり、
   その得点は、70m-36射 258点 平均7.2点

18mのσ18は、
   σ18=σ30 x 30/18 x 20/40 =2.14 (半径42mmの円)となり、
   その得点は、18m-30射 239点 平均8.0点
となります。

σの小さい順に、σ30r、σ18r、σ70r、σ50r、となり、30mが一番高得点となり、50mが一番難しくなります。

次のグラフは、矢が各点に着矢する確率を示します。 30mが高得点側に矢が集まっていますが、50m、70mは広く平らに分布し、矢のばらつきが大きくなっています。


18mは、皆同じσ18rですが、縦3つの的では5%程度がMとなり、得点が7点ほど40cm的とより低くなっています。

ファットボーイは、同じ縦3つで、3点ほどACEより高い得点となっています。 ACEが6mm径、ファットボーイが9mm径ですが、この径の違いが3点ほど高得点を出していることになります。



2.30m 80cm-36射で平均320点程度を出せるアーチャーの場合

30m 80cm-36射で平均320点程度のグ-ピングのσ30rは、1.34です。(半径53mmの円(9点の10点より))、10End(60射)で、1End度程度すべてゴールドがでる実力)

グルーピングの半径が、20mm弱小さくなっていますので、全体的に着矢の位置は、高得点側によっていき、30mの場合8点より10点の方が、比率が上がっています。

18m、縦3つ的でもMの確率は1%以下で、100射で1本程度です。


このアーチャーでも、60金は、2,500Endに1回ぐらいです。 
350点(70%が10点)の実力があれば、10Endに1回は60金がでますが、夢のまた夢。 (右の写真です)



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