2016年7月22日金曜日

練習目標を学ぶ

学ぶシリーズ 015

今回は、私の辿った道(練習目標)を説明します。誰にでも適用できるとは思いませんが、参考になればと思います。

できるだけ本数を、と言うコーチもいますが、果たしてそれがすべての人によいことでしょうか。他に何か効果的な練習方法はないものでしょうか。

何も考えずにただ本数を多く練習するよりは、目標をもって練習する方が効果的(上達が速い)であると考えます。

目標とは、高い点数ではありません。結果として高い点数を得ることができるように射形の改善目標です。

改善目標を「理想の射形」にしてはいけません。まずは、人が見てすぐに分かる悪い点を一つ一つ潰すように意識して練習します。

例えば、「ハンドルを握るな」とコーチに指摘されたら、他のことは忘れて、握らないことに意識を集中して練習し、無意識にできるようにします。

それができたら次の目に見える欠点、を意識し無意識にでできるまで練習します。
そのとき前の欠点がまた出てきます、その時は2つを意識して練習します。

たくさんのことを意識しなければならないときは、練習後に練習記録をつけて、改善ずべき点をメモし、達成できたら消していくとよいかもしれません。

サンデーアーチャーのコーチが見つけられる点は
  • ハンドルを握るな
  • 体の軸が曲がっている
  • リリースが荒い(ひっかかる)
  • リリースが戻る
  • 引手の肘が下がっている
  • 押手を止めろ
  • 力むな(指、肩に力が入っている)
  • フォロースルーをしっかりとれ
  • 射るのが早すぎる
  • 狙いすぎる
  • アンカーが動く
  • 弦を鼻につけろ
  • 弓が傾いている
等々、目に見えるものばかりです。

そんなことを3月ほど続けると、サンデーアーチャーのコーチにみつけられる欠点はなくなり、コーチに注意されることもなくなると思います。

そこからは、自分で目標を設定して、日々改善を楽しみます
そんな、改善を楽しむサンデーアーチャーの練習目標を紹介したいと思います。
シューティングテクニックを学ぶ で異端のアーチャー(世界チャンピオンの秘密と技術) と言う本に触れました、この本の中のトレーニングについて次のような記述があります。

------------------------- 引用---------------------------------
トレーニングの6つの法則
  1. プロのアーチャーでなければ、練習で射る矢の本数のことは忘れて、「質の高い練習に徹する方がよい。
  2. .悪い射はうちつづけないこと。その代わり良い射はうち続けなさい
  3. どのようなミスショットも、二本以上続けてはいけない
  4. Xに入る射の射形の綺麗さと再現性は最も重要事項目である。
  5. 悪いシューティングで結果的に的に入ったXは、よくない。
  6. アーチャーの””は、それまでにうった射の数ではなく、”良い射”から”悪い射”を引いた数と直線的な相関関係があり、それによってアーチャーの”質”は無限に伸びる。
-------------------------引用終わり--------------------------

これを数式で表せば、

  質の高い練習 = 良い射 ー 悪い射
  腕前(質) = 質の高い練習xa + b (直線的相関の数式化)

aは正の数値、bは定数。 早い話、腕前は、質の高い練習量に比例すると言っています。

1日の練習で、100本うち、50本が良い射、50本が悪い射なら練習量は100本でも、質の高い練習量は0本と言ことで、悪い射の本数の方が多ければ、無意味な練習となるばかりか、腕前を後退させる練習と言うことになります。

本数の多い練習量(合計の射の量)は、経験値を上げ、身体的能力を上げるのには有効で、体のトレーニングとして意味あることだと思いますが、我々のように趣味としてアーチェリーをしている人(体力増強も、国体・オリンピックへの出場も目指していない人)こそ、少ない練習量で腕前を上げるために、質の高い練習をすべきとだと考えます。

では、質の高い練習とはどのよなものでしょうか、

    Xに入る射の射形で、綺麗さと再現性がある射形

と言うことになりますが、サンデーアーチャーにとっては、1日に2-3本でも納得の射形でXに入れば御の字と言うところです。

私は、Xでなくても、納得の射形で自分が望む得点より良い点数が出ればよいと思っています。

では、私にとって納得の射形とは、
  • 楽に射ができること
  • サイトがピタリと止まること
  • フォロースルーが理想の形になっていること
  • 課題の修正がうまくできていること
最後の課題とは、30金が出た時の射形の記憶からの違和感を無くすことです。

小ネタ特集にある、 よい射を覚えて、悪い射は忘れろ を実践し、良い射の記憶と比べ違和感がないように射を行うようにしています。

また、点数については、30mで8~10点を設定して練習をしています。

8点となった時は、9点のOnLineに近ければよしとし、7点に近い8点と7点以下の場合は、どこが違っていたかを考え、次の射(次のEnd 注)で修正するように努力します。

注) 肉眼では、どこに矢が刺さったかわからないので、次のEndで修正するため、違和感を頼りに修正します。(現在の私の違和感は、主に尺屈の強さです)

なぜ、7点を判断基準としているかと言うと、練習(約2時間半、100射)で3-4本の7点が出ます。 この7点を何とか撲滅したいと現在努力中です。

9点を判断基準したら、1日中反省をしていなければなりませんし、目標はくです。

7点がでなければ、統計学入門 その3 (バラつきと得点の関係)に書いたように330点がコンスタントにでるようになると思います。


7月の点数記録(30m 36射)
7/7     329点 8点3本 7点2本
7/12 332点 8点3本 7点1本
7/14 325点 8点7本 7点1本
7/14 331点 8点5本 7点1本
7/16 334点 8点5本 7点1本
7/21 322点 8点8本 7点2本
7/21 326点 8点5本 7点1本
7/21 332点 8点5本 7点0本
平均 329点 8点5本 7点1本

出そうで出ない「7点なし」です。

そんなわけで、サンデーアーチャーのコーチになにも指摘されなくなった人は、練習中にたまに出る例えば、
  • 200点代の平均点の人は、2点から4点以下
  • 300点平均の人は5点以下
  • 310点平均の人は6点以下
  • 320点平均の人は7点以下

の悪い点を撲滅するための練習目標を考えてはいかがでしょうか。

平均点は高いが、時に大外れをする人は、まず、大外れの撲滅が先になります。 大外れは、目に見える問題点があるはずです。

よい射を覚えて、悪い射は(反省してよい射にして)忘れろ! です。

がむしゃらに練習せずに、自分の射を自分の五感で見直し練習してみてはいかがでしょうか。
1日の練習で反省する射は、10本以内のものに限定しましょう、反省ばかりでは楽しくありません

反省する点はなんでもかまいません、前記のサンデーアーチャーのコーチが見つけられる点 に相当するもので、些細な動きで発見できない射形の欠点が大半です。

実際の外れた原因と違っていてもかまいません、自分で変だと思ったところを直しましょう。

340点を超える人によれば、気持ちの持ち方の問題などと言う次元の違うことを言う方もいますが、当方理解はできません。(一度理解してみたい)

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