2014年5月30日金曜日

ベアシャフトの矢も回転している


矢は発射されると回転をはじめます。

羽根がついている矢は、飛び出した途端、風車(?)の原理で羽根の空気抵抗を矢の回転運動に変えています。

この回転がジャイロ効果を発揮し、飛翔方向の安定性を高めます。

では、羽根にピッチのない矢、または、ベアシャフトは回転運動をせずに飛翔するでしょうか?
ベアシャフトも回転しながら飛翔すると思うのですが、その理屈がよく分かりません。

サッカーで、普通にボールを蹴ると回転しながら飛んでいきます。
無回転シュートを蹴るには、高度な技量が必要で、素人には難しいのと同じで、ベアシャフトも普通に撃てば、勝手に回転が始まると思うのです。

無回転シュートを蹴るには、ボールを蹴る力がボールの中心を通過する必要があり、少しでも、中心を外れるとボールは、回転を始めます。
ちょっとのずれは、縫い目が見えるほどゆっくり回転するため、無回転シュートと同じ効果がありますが、やはり回転します。(完全な無回転は、不可能ではないかと思います)

さて、ここから本題です。
無回転矢の発生を仮定すると、 その条件は、

① 矢に対し、横方向の力が一切かからない、か
② 矢に横方向の力がかかった場合、その力はシャフトの中心点を通過する

必要があります。

まず①は、リカーブの場合あり得ません。 
なぜなら、リリースの時に指先で作られる弦の左右の運動下で矢は発射されます。(有名なアーチャーズパラドックスです)

では、②はどうでしょうか。(ここから先は、かなりいい加減な理屈で検討してみます。 だから
理屈がわからないと)

アーチャーズパラドックスの弦の振動が、回転の源です。
この力が、ノックの上と下でアンバランスであれば、そのアンバランスで発生した力はシャフトの中心点を通過せずに、回転運動が始まります。

右うちの場合、ノックの下側が強ければ右回転(時計回り)をはじめ、上が強ければ左回転(反時計回り)となります。(弦が、左前に動いているときに矢は発射されます)

弓は、下リムの方が強く設定されていますので、ノックの下側の弦の方が上側より微妙に強い力をノックに与えます。

その力の差を求めるには、弾性系で力のつり合いを解く必要がありますが、私には解く知識はありません。
ノックの上下(わずか6mm差)の力の違いなど、私には計算できませんが、完全にはゼロではないはずです。

この、微妙な違いが、ノックの上下で力のアンバランス(下が強い)を生じさせ、矢に右回転を発生させます。

では、その回転速度は?? 計算できません。(私には)

でも、一応計算してみます。(2つの仮定が入ります)

半径がa、長さがlで質量がMの円柱の矢を考えます。 ノック-ポイントを軸とした場合の円柱の慣性モメントIzは、

  Iz=a^2*M/2

で表されます。実際の値は
  半径      a= 0.003m (3mm)
  質量      M= 0.02kg (20g)
  慣性モメント Iz= 9.0E-8 kg-m2 

Izは、非常に小さく、微妙なアンバランスで回転が始まります。

ここで大胆な仮定で、微妙なアンバランスによるトルクTは、
  トルク T= 3E-5 N-m  (アンバランスな力 0.01N(1g)、半径 0.003m(3mm))

と仮定すると、矢に発生する角加速度 ω/dt は
  角加速度 ω/dt =T/Iz =333 (1/sec2)

となります。 このアンバランスが矢の回転力として作用する時間を、矢が弦から離れる一瞬時間 Δt として、
  作用時間 Δt= 0.01 sec (百分の1秒)

とすれば、角速度ωは、
        ω = ω/dt * Δt = 3.33 (1/sec) 

1秒の回転数Nは
        N= ω/2PI = 0.5 回/秒
です。

大胆な仮定、アンバランス力  0.01N(1g)、作用時間 Δt= 百分の1秒 を変えれば、回転数は変わります。

回転数は、作用するトルク(力)と作用する時間に比例します。

2014年5月29日木曜日

3度目の正直のスタンス

第286回 練習

昨日、今日の練習では、練習開始時と練習終了時で矢が右へ左へと大きく動く事態となりました。

練習のはじめは、矢が的の左側に集まるので、サイトを左に出し中央に集まるように調整して、行射していましたが、しばらくすると矢が的の右側に集まりだします。

そこで、一休みして練習を開始すると、矢が的の中心に集まります。(サイトは調整していません)

これは、なぜか?? 

昨日の左右の動きは、アンカーポイントが動いているのが原因と思い、今日の練習では、キッサーを付けてアンカーポイントの安定を最優先にして行射してみましたが、同じ結果となりました。

アンカーポイントのずれなら、動きだしたら、意識しないと戻ってくることはないと思われます。

ではなにが悪いのか、原因の列挙から(詳細は、矢がずれる原因 参照

右にずれる原因
・押手のゆるみで押手が右への移動(右にずれる)
・弦サイト、アンカーポイントが左への移動
・ひっかりリリース、膨れリリース
上リムが右に傾く

左にずれる原因
 押し手の肩が入り過ぎている
・弦サイト、アンカーポイントが右への移動
上リムが左に傾く

等々、ありますが、時間とともに変わるのはなにか?

思い当たるのは、押手の肩の入れ方かと思い、スタンスをオープンからストレートに直してみました。

ストレートスタンスでは、肩を入れると弦が押手に当たるので、肩を入れることができないため、肩の入れ過ぎはなくなります。

ストレートスタンスでサイトを合わせて、72射してみたところ、点数は大したことなのですが、グルーピングの中心が、左右に動くことがなくなりました。

やはり、練習のはじめは肩が入りすぎ、終わりのころは肩が入らなくなっていたようです。

肩を入れた方が、短時間はグルーピングが良いので、オープンスタスにして肩を入れるようにしていましたが、長い時間同じように肩を入れるのは難しいようです。

また、キッサーを付けて、ストレートスタンスに戻します。

ストレートスタンス-->オープンスタンス--->ストレートスタンス-->オープンスタンス--->ストレートスタンス と3度目の正直で、初心に戻ります。

2014年5月25日日曜日

サイトの計算式を考える


この式は、アーチェリーのサイトの設定を行うための基礎式で、1.386は多数の実績から導き出された数値であるとのこと。(物理学の理論式から導かれたものではないと。)

y: サイトの値(単位は無次元) (注 2022/10/03 修正)
x: 的までの距離(単位はm)(ターゲット競技では、18m、30m、50m、60m、70m、90m)
a: サイト曲線の傾き (注 2016/07/18、2017/4/27 追記)
c: 距離 0 mの時のサイトの値(グラフの切片)

aは、矢の発射速度で決まる数値で、弓と射手の組み合わせで変化します。
Cは、サイトの取り付け位置で変化する数値です。

注)放物線(空気抵抗がない2次曲線)の場合は、y=aX+Cとなり、1.386が1になります。(脚注)

このaとCを決定するには、2つの距離でサイト取りをした実射データが必要になります。

私の実射データの、X30=30mのサイトY30=27.8mm、X50=50mのサイトY50=60.0mmの場合で、aとCを求めてみますと

     a = 0.280
     c = -3.46

を得ます。
(解き方は、a,Cを変数として連立方程式を解くだけで、
  a =  (Y30ーY50) / (X30^1.386ー X50^1.386)
  C  = Y30 ーaX30^1.386

このa,Cは、私の弓、矢、射形、体格の組み合わせに対応した、私個人の係数となり、チャートにすると



ですが、今時、グラフから読み取るも面倒なので、表にしてみました。


このサイト計算式は、飛翔時に矢に作用する外力(重力、空気抵抗等)の影響を実験で求めたものだそうです。

距離が短い場合、空気抵抗の影響が無視できるため、空気抵抗を含まない重力の影響による放物線の飛翔曲線とほとんど同じ曲線となります。

理論的な解明はしていませんが、この式の適用範囲は矢の発射角度が上向きの場合のみで、私の場合、15m以上の距離から適用できるようです。

サイトの計算式をベースに矢の仰角(水平から上に向ける角度)を計算し、空気抵抗のある場合の飛翔曲線を初速64m/sの矢で作成してみました。

厳密な計算ができるわけではないので、矢のCd(抗力係数:空気の抵抗を決める係数)を好い加減に設定して、高さの頂点が距離で3:2(50mで30m)の位置になるように調整しています。

3:2の比で、経験的に的の近くで急に矢が落ちる感じをだしています。



この計算ベースでは、70mの場合、空気抵抗がない場合に比べ、仰角は約1.9倍、50mでは約1.7倍、30mでは約1.3倍なっています。(15mで1倍)

------------------------------------------------------------------------------------------------
脚注) 放物線(空気抵抗がない条件の矢の飛翔曲線)からのサイト計算式(1.386が1の式)
 
 Y = aX + C

は、下の放物線の飛翔の式から導くことができます。

 X = v*v*sin(2Θ)/g

   X: 到達距離
   v: 初速(空気抵抗がないので、水平方向の速度は変化しない)
   Θ: 矢の発射角度
   g: 重力加速度(地球の引力)

vは、弓・矢・射方を変えなけば一定です、また、gも一定です。
よって、到達距離Xは、発射角の関数sin(2Θ)に比例することになります。

  X ∝ sin(2Θ) (∝は比例を表す記号)

sin(2Θ)はΘが小さいとき2Θに近似できます。(サイトを考える範囲では、sin(2Θ)=2Θとみなせる)
よって、 

  X ∝ Θ (Xは発射各Θに比例する)

一方、サイトの目盛りYと発射角Θ関係は、矢が水平な時のYを0とすれば

 Y =  L*sin(Θ) (Lは目からサイトまでの距離で一定)

で表され、sin(Θ)はΘに近似できるので、
  Y ∝ Θ (目盛りYは発射角Θに比例)

となり、
  Y ∝ X (目盛りYは距離Xに比例)

となり、到達距離Xに比例してYが増えることになります。
放物線のサイト計算式は、

  Y = aX + C

で表され、1.386が1の式となります。
a,Cは一番上の1.386のついた式と値は違いますが、定数です。

2014年5月23日金曜日

矢速について考える


まず、高校の物理の運動エネルギーの公式。

E=1/2*m*v*v

E: 運動エネルギー (単位 J : N-m)
m: 質量 (単位 kg)
v: 速度 (単位 m/sec)    

今回は、矢の発射される速度を計算してみます。 

v=(2E/m)^0.5  

Eは、弓から矢に与えられるエネルギー、mは矢の質量(重さ)、vは矢の発射速度となりますので、E,mを推測してvを求めます。

矢の初速は、弓のエネルギーが2倍になれば1.4倍に、矢の質量が半分になれば1.4倍になります。

まず、矢の重さ m:
ACE-670(6.1gr/in) 749mmとポイント110grで18g、これに、羽根、ノックを加えて約20g(0.02kg)とします。

弓が矢に与えるエネルギーは、Draw Force Curve(引き尺とポンドの関係)を積分して、その面積から求められます。

uukha-U100XのDraw Force Curveは、uukhaのホームページ(http://www.uukha.com/en/technologie-en.php)から、CurveをCopyし、引き尺28インチで32#になる相似のCurveを作ってみました。

普通のDraw Force Curveは、X軸が引き尺で単位はインチ、Y軸は弓の強さでポンドで表示されていますが、今回はこれを、X軸の単位をm、Y軸の単位をNに換算しています。

また、右側のY軸はN-m(J)の単位で、弓に蓄積されるエネルギーを示します。


青い線が、Draw Force Curveでブレースハイトからアンカーまで引いた時の弓の力(Weight)を示しています。

アンカーでは、引き尺29.5インチで34.2ポンド(749mm-152.4N (15.5kg))です。

この青い線を積分して求めた弓に蓄えられるエネルギー(台形近似で求めた面積)を、赤い線で示しています。 (アンカーで44.5N-m(J)です)

弓のエネルギーは弦・リムを動かすエネルギーにも使用されますので、矢に伝わる効率を95%と想定し42.2Jを矢に伝わるエネルギーとします。

矢の重さ  m: 20g
エネルギー E: 42.2J
から、v(矢の初速)を計算すると

   64m/sec、232km/h となります。(効率60%で184km/h)

私の引き尺は、29.5インチでこの初速になりますが、

28インチの場合、矢に伝わるエネルギーは、36.9Jで、初速は、60m/sec,213km/h
27インチの場合、矢に伝わるエネルギーは、33.6Jで、初速は、57m/sec,206km/h
26インチの場合、矢に伝わるエネルギーは、30.3Jで、初速は、54m/sec,196km/h   
   
と、各々7%、11%、16%ほど遅くなります。

追記: 2015/06/25
効率95%は出来過ぎのようです。

弓の効率は70%-85%ぐらいみたいです。
70%とすると、矢速は0.85倍の199km/hぐらいになります。

また、へたな撃ち方をすると、さらに効率が10%ほど落て、0.8倍の184km/hとなります。
こちらの方が実感に合っています。

2019/5/17 追記
On the Mechanics of the Arrow:Archer's Paradox 1
B.W. Kooi and J.A. Sparenberg

に次のForce Draw curveが提示されていました。

このカーブは、リム等の質量・戻りの速さを考慮し、弦から矢に作用する力を計算により求めてたものです。

静的なFDC(上記に書いたカーブに相当)と 動的FDC(実際に作用する力)を比較したもで、このカーブの面積の差が、効率に相当します。




2014年5月17日土曜日

弦サイトについて考える

第280回 練習

弦サイトとは?

狙いはサイトピンを的に合わせますが、弦を右手でアンカ-に入れたとき、あごと鼻の先に付けた弦が、目の前に見えているはずです。
このぼやけた弦をハンドル等の決まった位置に毎回合わせることを「弦サイト」を合わせるといいます。

弦サイトの目的は、利目と弓の左右の位置関係を常に一定とし、サイトの狙いの精度を高めることにあります。(擬似的な2重サイトです、ルール上はOK)

(弦サイトで狙うを学ぶ にもう少し詳しく説明しています。 2016/08/10 追加)

弦をサイトピンの中心(的-サイト-弦-利目が直線上に並ぶ)に合わせるのが、単純で理解しやすいのですが、それでは、 弦にサイトピンが重なりサイトが見えにくくなります。

私の場合、少しだけ目の位置を動かしてクリッカーのねじの頭に弦が合うようにしています。(サイトピンの右側に置くのは、日本人ではめずらしいようです)

矢を再現性よく発射させるには、サイトをのぞく目と弓の位置関係が常に一定である必要がありますが、弦サイトの位置(弦を利目で合わせる位置)は、自分なりに一定であればどこでもいいものです。

アンカーポイントの弦が接するあごの位置を一定にし、右手をアンカーにつけたまま首(頭)の向きで弦の見える位置を調整し弦サイトを決めると、顔の向きが毎回同じになります。

また、目の上下は、鼻に当たる弦の圧力が一定になるように、あごの引き具合で調整できます。

さて、ここからが本題で、今回は弦サイトのずれが、着矢のずれにどの程度影響するか検討してみます。(簡単な相似三角形の問題です)

まず、基本事項です。

  弦サイトが的に向かって(左)にずれると、着矢は的の(右)にずれる

これは、利目(右目)が弓から相対的に左にずれると、弦の位置は右(弦サイトが右)に動いて見えます。
サイトは利目が左に動いた状態で的の中心をとらえるため、センターショットが左に向き、必然的に矢は的の左側に着矢します。

弦サイトがいつもより右に1cmずれた時、30m先の的への着矢はどれほどずれるか?

私の身体的条件では、約45mm(1点強)左に着矢します。(50mの場合は、2点弱)

弦サイトの1cmの右ずれは、的-サイト-弦-利目が直線上に並ぶ状態から、弦サイトが弓のウインドウの縁に移動したのと同じ状態です。(利目が1.2mm左に移動したのと同じ)

目の位置が1mm動くと、30mで1点動くことになります。上下の移動も同じで、1mm上に上がれば、1点分下にずれます。

今日は、
      アンカーポイント(弦が接するあごの位置)
      弦が当たる鼻の引っ込み具合(あごのひき具合)(上下の目の移動)
      弦サイトの位置(左右の目の移動)

に、注意をしながら25mを撃ってみました。久々の339点(80cm的、36射)と60金です。

25m 80cm的 60金
最後の6射は、50金+6点で惜しくも340点を逃しました。






2014年5月13日火曜日

アーチェリーの服装規定

荷役作業用ズボンが許されないとの話なので、WAの基準を調べてみました。
確かに、baggy type pantsはだめなようです。

------------------------------------------------2017/05/25追記------------------------------------
ここの話題は、2014年ベースのものです。
2017年の詳細は調べていませんが、巷の噂では「色彩に関係なくデニムもしくはジーン ズ、カモフラージュ模様(迷彩)の衣服と用具」、が不可に追加になったようです。
 
また、ジーン ズは、デニム地でなくても形がジーンズ風も不可のようです。(1級審判の話)
-----------------------------------2017/05/25追記終わり--------------------------------------------

でも、TVを見るとアメリカの選手は、Tシャツで競技をしています。
Tシャツがダメなのは日本だけなのか、興味があったので襟付きが何処かに記載されているか調べてみました。

Dress Regulations には、そのような基準はないようで、日本の独自の規程のようです。

まず、世界アーチェリー連盟 (WA) http://www.worldarchery.org/ のDress Regulations の抜粋 (日本語の注記は、日本の規程の元と思われる部分を適当に訳しました)
-----------------------------------------------------------------
20.1.1. During the Olympic Games, World Championships and World Cup Events, athletes and team officials shall dress in sports clothing on the field of play.

Women shall wear  女子の服装は、(以下で)なければならない (shallは強制)
      dresses, 
      skirts,        スカート
      divided skirts,  キュロットスカート
      shorts            ショートパンツ
 (these may not be shorter than the athlete’s fingertips when the arms and fingers are extended at the athlete’s side)  
ショートパンツは、腕を垂らして指を伸ばしたとき指先より短くないことが望ましい
  注)may notは強制ではない

      or trousers,   または、ズボン
      and blouses or tops およびブラース または トップス
 (covering the front and back of the body, be fixed over each shoulder while still covering the midriff when she is at full draw);  体の前後をカバーし、両肩上に固定し、フルドロー時でもへそをだすな

Men shall wear  男子は
      trousers or ズボン または
      shorts     ショートパンツ
(these may not be shorter than the athlete’s fingertips when the arms and fingers are extended at the athlete’s side)  
ショートパンツは、腕を垂らして指を伸ばしたとき指先より短くないことが望ましい
     
and long or short sleeved shirts および長袖または半袖シャツ
 (covering the midriff when at full draw); フルドロー時にへそが隠れること

No denim, jeans,regardless the colour(2017年版に追加), or camouflage clothes may be worn nor any oversize or baggy type pants or shorts;
色彩に関係なく(2017年版に追加)デニム、ジーンズ、または 迷彩、使い古された服、および オバーサイズまたはだぶだぶのパンツまたは半パンはNo

-----------------------------------------------------------------
日本の服装規程

女子:
  スカート
  キュロットスカート
  スポーツスラックス
  ショートパンツ
  長袖あるいは半袖(襟付き)

シャツ/ブラウスは、スラックスの中に入れることが望ましい

男子:
  くるぶしの下までの長さのスポーツスラックス
  ショートパンツ
  長袖あるいは半袖(襟付き

シャツは、ズボンの中に入れるのが望ましい

ショートパンツは、腕を垂らして指を伸ばしたとき指先より短くてはならず、膝頭より長くてはならない。

デニムジーンズおよびオーバーサイズ、バギーパンツ(荷役作業用ズボン)またはそのハーフパンツは着用してはならない。

-----------------------------------------------------------
など、抜粋です。

なぜ、日本独自の規程を追加(赤字部)するのでしょうか、服装規程は安全な行射ができるものなら良いはずです。(安全とは関係なさそうな追加です)

女子は、ロングスカートもミニスカートもOKなはずなのに、実際は不可のようです。

また、女子のスラックスもくるぶしの下までの長さがなといけないと言う審判もいるようです。

これはすごく日本的です、基準に書かないで、内規なるものを作り運用し、審判の権威を高める。(俗に言うお役所のご指導です)

スポーツスラックスてなに?
ネットで調べると、写真が満載。 ズボンはすべてスポーツスラックスに分類されるようです。 スーツのズボンだろうが、パジャマのズボンだろうがです。

なぜ、パジャマのズボンがよくて、デニムジーンズと荷役作業用ズボンがいけないのか理由がわかりませんがね。

襟付きになんの意味があるのか、アンカーの時邪魔になるだけです。

この規程ならパジャマもジージャンも、セーラー服もOKです。 ランニングシャツ以外で襟を付ければOKなのです。

ズボンの中に入れるのが望ましい。 いまどき、シャツをズボンに入れろと強制したら、アーチェリーをする若い人はいなくなります。

男子は膝からくるぶしまでの丈のカジュアルなズボンは穿けないわけですが、なぜ、すねを出してはいけないのかわかりますか。ショートパンツがよくて、短いズボンはだめな理由は何でしょか。

くるぶしの下までの長さ、とはズルパンにしている高校生が喜びそな規程です、長い分にはいくら長くてもOKですかね。

日本独自のものを作る必要があるのでしょうか、和服でもよしと言う規程なら日本独自のものとして納得できますがね。 この規程もTPPの対象にした方がよいかもしれません。

日本で国際試合をするときは、WAに従うはずですし、日本人もそれに従うのですから、日本独自の規程に意味があるのでしょうか。

世界的に通用する選手を育てるなら、子供のころから世界基準に従うことを教えるべきです。

野球のように、国際(実際はUSA)の基準と違う部分があると、国際試合の度にその基準になれる必要がでてきます。

なにか昔の高校の校則と間違えていませんかね。 今の高校の校則は、大分民主的になったみたいですよ。







2014年5月12日月曜日

都民大会 弓具検査

練習場所では、携帯、財布、車の鍵など貴重品は、ズボンのポケットに入れて練習をしています。

このためズボンは、ポケットの多い物を愛用していますが、これは荷役作業ズボンバギーパンツ(荷役作業用ズボン)に判定される恐れがあると、仲間から指摘がありました。

注)
バギーパンツ:バギーパンツ(Baggy Pants)は、シルエットで、「袋のような」という語源から、全体的に太くてゆったりしたラインのパンツ
荷役作業用ズボン:カーゴパンツ作業用のズボンで、生地の厚い丈夫な綿布で作られ、膝上の左右に大きなポケットが付けられているのが特徴で、6つポケットがあるため6ポケットパンツとも言う(Wikipediaより引用)

私の愛用のズボンは、荷役作業ズボン(膝上の左右のポケット)に似ていますが、生地が薄く・軽いため一般的な作業には、適さない5つポケットの軽いズボンです。

前回の大会で「荷役作業ズボン」を審判から指摘された人は、「今回は認めます」と言われたとのこと、審判の裁量で規定違反が許された形です。

荷役作業ズボンはダメとアーチェリーの服装規定にありますが、昨年公式戦に出た時は、特段指摘されなかったので、その時は荷役作業ズボンとはみなされなかったことになります。(見落とし、それともポケットが5ケでOK??)

今回は、団体戦なので、ズボンで失格になっては、他のメンバーに申し訳ないので、トレーニングウエアを着用していきました。

このズボンにはポケットがなく、貴重品は荷物の中に入れ、常に荷物を意識しながら試合に臨みました。

今回の大会でも、試合開始前に弓具検査がありました、公式戦でなくても、この大会は検査がおこなわれるようです。

違反行為はしていない(荷役作業ズボンと間違えられる、練習ズボンは穿いていない)ので、気軽に検査をうけましたが、審判が服装ではなく、リムについているトップセーバーを見て、

     「これはなんですか?」と質問
     「リムセーバーです」と答えましたが
     「初めて見た」と独り言

     「弦に触れていなけばOKのはずですが」と言ったところ
     「今回はよしとします」と一言

これ変ですよ、「今回は」は不要でしょう。
 
単純にOKと言えばいいのに、「違反をしているが、今回は特別に認める」との姿勢に思え、心が折れました。

    「何か不具合がありますか?」とひこと
    「だから、今回は弦に触れていないから認めます」ですと

これでは、次回はダメだが今回だけ温情で認めますと言われたように感じました。

だいたい審判が、その時々の判断でルールの解釈を変え、認める認めないの判断をしてはいけないと思います。

「荷役作業ズボン」を認めた審判と同様に、すべての審判がポケットが沢山ついていれば「荷役作業ズボン」と判定し、本来はダメだが、「今回は認める」と判断するのでしょうか。

今回は規定違反、今回は認めるではルールの意味がありません。

審判の主観でルールを解釈し、本来はダメだが「今回は認める」と言うのでは審判失格だと思います。

クリックで画像を表示
トップセーバー


トップセーバーについても、「これはなんですか?」などと質問などせず、違反ではないと思うなら、黙ってOkを出せばよいのです。

違反と思うならルールのどこに抵触するかを指摘し、取り外しを指示すべきです。

このお蔭で気持ちが暗くなり、調子が出ないこと。(関係ないか??)
いまだに、腹が立っています。(どうでもよいことを根に持つたちです。)

審判の方々は、ルールを熟知し誰でも同じ判断ができるように研鑽を積み、選手に不快な思いをさせないようにすべきです。

審判が、「これはなんですか?」などと聞く必要はないのです、名称・目的などに関わらずルールに適合するかのみ判断すべきです。

私は、名称を間違えて教えましたし、設置目的は、振動軽減ではなく、雑音の低減ですから、「ノイズキャンセラー」ですし、これで弓の性能が上がるわけではありません。 また、弓が不安全になる訳でもありません。

今日は、ながながと、怒りに任せて馬鹿なことを書いてみました。
まだ、怒っています。
審判の言葉使いが上から目線で、気に食わないことに・・・・。
審判は、全知全能の神か・・・。


蛇足:
上着は襟付きと服装規定にあるようですが、襟を丸めて服の中に入れて競技をするのはOKでしょうか。

アンカーの時、小指が襟にひっかり邪魔になりますので、私は、ボタンをすべて外してだらしない恰好で弓を引いています。

今回一緒に参加した方は、検査の時は襟を出してきちんとしていましたが、競技が始まる前に襟を丸めてすべてシャツの中に入れていました。

これでは、Tシャツと同じです、襟付きのルールはありますが、襟を出して競技しろとは規定されていませんから、これでOKなのですね。

服装規定は、不安全となるもののみを禁止し、後は選手の良識に任せるべきだと思います。日本は、なんでも規制したがる創意工夫を嫌う国のようです。







2014年5月11日日曜日

都民大会の結果

第276回 練習ではなくて大会参加

出場27区市、チームの結果は、12位と前半(50m)の20位から追い上げて終わりました。

前半の20位は、私が一人で足をひっぱた結果です。
50mは、200点に届かず、50mの最低記録でした。 

途中でタブを落とし素手で3射しましたが、矢が下に飛び的にすら当たりません。

3射ぐらいなら、素手で撃っても全く痛くなく、身体的には問題ないのですが、ノッキングポイントと目の距離がいつもと違うため、狙いを的の上の方につけないと、的にすら当たらいようです。

タブの予備を持っていないのがいけないのですが、3週間ほど前に予備のタブを分解して、タブの改造に使ってしまいました、間が悪いと言えば間の悪いこと。

予備のタブを早速手配しなくては、と後の祭りです。

調子が悪かったのは、他に原因があったのか。 次回に続く。

2014年5月10日土曜日

都民大会

明日(5/11)都民大会が開かれます。
正式には、第 67回都民体育大会(区市町村対抗)春季大会「アーチェリー」(男子)と言うようです。

各区市町村の男女代表各3名にて、男子は50m・30m各36射合計72射、 女子は30m×2回各36射合計72射を行う と規定さていますので、区市町村の代表が集まって競技をすることになります。

また、チームの順位はチームの合計得点により決定する とあり、個人戦ではなく、団体戦です。

実は、この大会に監督(とは名ばかりで、実際は、チームの得点を逐次大会本部に報告する係り)で参加するとになっていましたが、選手の一人が、体調不良で参加できなくなり、急遽選手で参加することになりました。

先週の土曜日(ちょうど1週間前)に出場が決まったので、今季初めて50mを撃ちに行き、サイトを取ってきました。

現在、絶不調で、30mは300点以下、50mは240点以下しか得点がでませんが、選手が2人では、不戦敗になってしまいますので、出るだけは出ることにしました。

高得点はとても望めないので、練習のつもりで楽しんできます。

統計学入門 その3 (バラつきと得点の関係)


前に、アーチェリーの高得点は、グルーピングの円の径を小さくすることと書きました。
今回は、その実例をまとめてみました。

グラフは、36射(462回)の実射データ(私の1年半のデータ)で、36射中、7点以下の着矢本数(X軸)と36射の得点(Y軸)の関係をしめしています。

緑の△マークは、極座標の正規分布から7点以下の本数(確率)と得点の関係をまとめたものです。

当然のことですが、7点以下の本数が少ないと言うことは、グルーピングの半径が小さくなり高得点になります。


実射データの直線近似は、Y=-3.7735X+329.76となっていますので、7点以下が0本なら330点が取れる可能性が高いことを示しています。(緑△もほぼ同じ)

また、7点1本あたり、-3.8点で得点が減っていきます。 これは、単に8点が7点になり1点少なくなっているではなく、10点が9点、9点が8点と着矢全体のバラつきが大きくなっていることを示しています。

実射データと極座標の正規分布から計算した値が、よく一致しています。これは、やはりアーチェリーは、偶然の確率分布にしたがっていることになります。

常時高得点をとる人は、グルーピングの半径を小さくする(バラつきを抑える)能力が高いだけで、
なにか、特別なやり方で高得点を出しているわけではありません。(きっと)



2014年5月2日金曜日

統計学入門 その2 (距離別得点)

前回に続き、極座標に座標変換した正規分布を使って、距離と得点の関係を検討してみました。

ターゲット競技の距離と言えば、18m(インドア)、30m、50m、70m、90mですが、90mは全く興味がないので、それを除いて検討してみました。

今回検討したことは、 
  1. 30m 36射 300点程度のアーチャーは、
       50m,70m,18mで何点とれるか?
       18m 縦3つでMを撃つ確率は?
       ファットボーイは18mで何点ぐらい有利なのか?
            グラフは、Big Boyと書きましたが、Fat Boy?ではないかな?

  2. 30m 36射 320点程度のアーチャーは、


σr(極座標の標準偏差)を使って検討していますので、σrの簡単な説明をします。
σrとは、データのばらつきを表す数値で、極座標(的の円)の場合、中心からの距離を表す数値です。

たとえば、80cmの的で、σr=1.78は1.78*40mm=71mmで、的の中心から半径71mmの円の付近(9点の8点より)が、当たる確率が一番高いことを表します。

また、σrの内側(高得点側)に当たる確率は、39%です。残りの61%は、それより外側になります。


1.30m 80cm-36射で平均300点程度を出せるアーチャーの場合

30m 80cm-36射で平均300点程度のグ-ピングのσ30r(極座標の標準偏差)は、1.78です。(半径71mmの円、60End(360射)で、1End程度すべてゴールドにはいる実力)

このσ30rが、50mでは、 
   σ50r=σ30r x 30/50 =2.97 (半径118mmの円)となり、
   その得点は、50m-36射 247点 平均6.9点

70mのσ70rは、
   σ70r=σ30r x 30/70 x 61/40 =2.73 (半径166mmの円)となり、
   その得点は、70m-36射 258点 平均7.2点

18mのσ18は、
   σ18=σ30 x 30/18 x 20/40 =2.14 (半径42mmの円)となり、
   その得点は、18m-30射 239点 平均8.0点
となります。

σの小さい順に、σ30r、σ18r、σ70r、σ50r、となり、30mが一番高得点となり、50mが一番難しくなります。

次のグラフは、矢が各点に着矢する確率を示します。 30mが高得点側に矢が集まっていますが、50m、70mは広く平らに分布し、矢のばらつきが大きくなっています。


18mは、皆同じσ18rですが、縦3つの的では5%程度がMとなり、得点が7点ほど40cm的とより低くなっています。

ファットボーイは、同じ縦3つで、3点ほどACEより高い得点となっています。 ACEが6mm径、ファットボーイが9mm径ですが、この径の違いが3点ほど高得点を出していることになります。



2.30m 80cm-36射で平均320点程度を出せるアーチャーの場合

30m 80cm-36射で平均320点程度のグ-ピングのσ30rは、1.34です。(半径53mmの円(9点の10点より))、10End(60射)で、1End度程度すべてゴールドがでる実力)

グルーピングの半径が、20mm弱小さくなっていますので、全体的に着矢の位置は、高得点側によっていき、30mの場合8点より10点の方が、比率が上がっています。

18m、縦3つ的でもMの確率は1%以下で、100射で1本程度です。


このアーチャーでも、60金は、2,500Endに1回ぐらいです。 
350点(70%が10点)の実力があれば、10Endに1回は60金がでますが、夢のまた夢。 (右の写真です)



2014年5月1日木曜日

統計学入門 その1 (得点分布)

今までの得点データを眺めていてちょっと疑問に思ったことがあったので、整理してみました。

約10,000本の30m-80cm的の行射データがあり、1本の平均は8.4点、σは1.2、36本の行射の合計は平均303点です。

このデータを、的の点数を横軸に、縦軸に点数ごとの得点を棒グラフしてみました。(10,000本の平均値です)

このグラフに、平均8.4点、σ1.2の正規分布のラインを加えてみましたが、全く一致しません。
多くのサンプルデータがあれば、その分布は正規分となるはずですが、なぜでしょうか。



理由は、正規分布は1次元データの分布を表しますが、アーチェリーの的は同心円の帯のどこに当たるかかで得点が変るため、2次元データで処理する必要があります。

帯の面積は的点(得点)が上がるに従い狭くなり、当たる確率も低くなるよういなっています。

アーチェリーは、的の中心を狙って得点を争う競技ですから、多くのサンプルデータがあれば、的の中心付近に矢が密集しますが、高得点はその面積が狭いため当てるのが難しくなり、300点クラスのアーチャーでは、10点は9点(面積は、10点の3倍)に比べ少なくなります。

そこで、極座標(円盤上のデータを扱う座標で、的点を的の中心からの半径に変換)上に正規分布を表示するように変換し、分布を記入してみました。

平均半径は的の中心で半径0としています、グルーピングの中心は的の中心になる(はずです)。

この分布は、図に示す通り実際の得点分布と非常によく一致し、アーチェリーの得点は、自然の分布法則に従っていてることになります。

アーチャーが技量を磨き、標準偏差σ(矢のグルーピングの大きさを計る尺度)を小さくすることで、矢は10点内に密集し高得点が期待できます。

グルーピングの径を如何に小さくするかが、練習の最大課題となります。
実際、σ=0.8にすると、330点が期待できます。

次は、この分布を使って、30mのデータから50m、70m、18mの得点分布を推計する方法や、18mの矢の太さを9mmにするとどれだけ点数アップするかなどを検討してみます。

注)
ここで記載したσは、1次元の分布の標準偏差σ(スコアーカード得点のばらつき)を使っています。
このσを極座標のσr(的の中心からの距離のバラつき)に変換するには、σr=√2xσの関係を利用します。