2019年6月17日月曜日

弓サイズと引尺を考える その2

弓サイズと引尺を考える その1 に続きUukhaのリムデータをもとにForce Draw Curve を描いてみます。

まず、実際の引き尺とリムの強さのデータをUukhaのホームページ の「Calculate poundage at your draw length」の計算機能を利用して入手しました。

この計算機能は、引き尺20"以上のポンドしか計算できないので、20"から33"の引き尺の範囲で次の2ケースのデータを作成しました。

1. 25"ハンドルの66Bow、68Bowおよび70Bowのデータ
2. Short Limb(25"ハンドルで66Bowのリム)で21"、23" 及び 25”ハンドルでのデータ

いずれもリムの呼びポンドで32#(28" ATA Draw Lengthのリム)のデータとしました。

1. 25"ハンドルの66Bow、68Bowおよび70BowのForce Draw Curve

上のForce Draw Curveには、3本の曲線と3本の直線を描いていますが、見た目には1本のデータのように見えます。

Uukhaの計算機能が示す値は、25"ハンドルで66Bow,68Bow及び70Bowが全く同じ値でありLimb Sizeの違いよるカーブの違いはありません。

違いは、推奨Brace Heightが次の通りとなっていることです。
   66Bow---8.3",  68Bow --- 8.6",  70Bow---8.9"

このBrace Heightの違いが、スタッキングポイトの違いとしてグラフに表れていますが、ほとんど同じといってよいと思います。

このことは、limbの長さの違いによりる引き心地の違いはないと言えますが、弓を引いたときのリムの形はことなりますので、引手の指の弦の当たり方のみlimbのサイズにより違いが生じることになりす。

また、その1で示した典型的なForce Draw Curveとことなり、UukhaのリムはStacking Pointを過ぎても、ポンド上昇率が急激ではなく、Sweet spotが広いリムと言えます。


2. Short Limbで21"、23" 及び 25”ハンドルのForce Draw Curve

上のForce Draw Curveには、3本の曲線と3本の直線を描いています。

28”のATA引き尺において32#のShort Limbですが、ハンドルサイズの違いにより28”の引き尺のポンドが次の通り異なります。

  25"ハンドル----32# 23"ハンドル----33.3# 21"ハンドル---34.1#

ハンドルを短くすいれば、同じリムを使ってもポンドアップが起きることがわかります。

また、Stacking Point の位置が微妙に違いますが、これはやはり推奨Brace Heightの違いによります。
   66Bow---8.3",  64Bow --- 8.1",  62Bow---7.8"

3本の曲線の形状もほとんど同じで、ハンドルの長さの違いによりる引き心地の違いはないと言えますが、ポンドアップが起きるため引いた感じは全く違ったものとなります。

64Bow、62Bowでもリムボルトを緩めてポンドを下げれば、66Bowとほとんど同じForce Draw Curveとなります。

Uukhaのリムは、62Bow~70BowのStacking Pointが引き尺で28"~28.5"にあり、Bow SizeによりStacking Point が移動しないリムと言えます。


3. Brace Height の影響
25”ハンドルの70BowでBrace Height を8.1"から10”に変えた場合の影響を調べてみました。


Brace Heightを8.1"から10"に変更した場合、スタッキングポイントは、引き尺28.5"から29.3"と0.7”程移動します。

また、Brace Heightを下げると矢速は増すが、矢飛びの安定性が落ち、Brace Heightを上げると矢速は減少するが、矢飛びの安定性が増すと言われています。

矢速については、Brace Heightを下げると弓から受けるエネルギー(Force Draw Curveの面積)が増すためで、安定性が落ちるのは、弦と矢の接触時間が長くなり、弦の振動の影響を受ける時間が長くなるためです。(Brace Heightを上げた場合は、逆の現象となります)

2019年6月16日日曜日

弓サイズと引尺を考える その1

「WIN&WINの弓サイズの決め方」に、弓の性能が引き出せる「引き尺」ごとの「ハンドルとリム」の組み合わせが示されています。

また、Uukhaの取説には、次のように推奨されるハンドルとリムの組み合わせが記載されています。(以下引用)

Recommended setup:
AMO draw         bow  riser  limbs
  length
  27''      66''  25''   66''(ショートリム)

  28''      68''  25''   68''(ミディアムリム)

  29''      70''  25''   70''(ロングリム)

  30''      72''  27''   70''(ロングリム)

  31''      74''  27''   72''(エキストラ・ロングリム)
AMO draw length = distance in inches between the nock and the pressure button + 1.75 ''.
72 '' limbs are only available for Vx+ model.

注)
Uukhaは23"のハンドルはありません
riserはハンドルのこと
現在、リムのサイズは25"のハンドルに付けたときのBow Sizeで呼ぶようです。(Win&Winの最新カタログも、66"、68"、70"となっていました)

両社の推奨サイズは微妙に違いますが、なぜ、引き尺(draw length)の短い人には小さい弓サイズ(bow size)が推奨されているのでしょうか。

今回は、そのあたりを考えてみます。

会話で同じ用語でも意味が人により違うことがあります、特に「引き尺」(Draw Length)は違うことがあり、話が成り立たないことがあります。

まず、ここで使用する用語をArchery Trade Association (ATA)(昔はAMOと言っていた)の引用で説明します。

1.用語の説明
1)弓サイズ・弓の長さ(Bow Size or Bow Length)
Bow Designated Length:
The length of the bowstring used to “brace” the bow to its manufacturer’s recommended Brace Height plus three inches.

弓の呼び長:
メーカー推奨のBrace Heightとなるbowstring (弦)の長さプラス3"とする。

注)弓の呼びサイズは2"ごとに呼ぶことが慣習となっていますので、同じ呼びサイズでも、実長は±1"(最大2"以上)の違いがあり得ます。

Brace Height:
The dimension in inches from the grip pivot point (low point) of the grip to the nearest side of the bowstring, measured perpendicular to the bowstring, with the bow strung and in the undrawn condition.

ブレースハイト:
弦を張って引いていない状態で、ピボットポイントの一番低いところから弦に対し垂直に計った長さ。
注)日本では、Brace Heightをストリングハイトと呼ぶことがありますが、String Heightは弓の長さとして使われることもあります。

2)引き尺(Draw Length)
ATA Actual Draw Length:
The distance from the bowstring at the nocking point location, while at the bow’s full-drawn condition, measured to a vertical line through the pivot point of the bow grip, plus 1¾ inches.

ATA実引き尺:
DLPP(次項参照)+ 1 3/4"

Draw Length Pivot Point (DLPP):
The bow’s true draw length. This is the distance at the bow’s full-drawn position measured from the string at the nocking point to a vertical line through the pivot point of the bow grip.

ピボットポイント引き尺:
弓の真の引き尺。フルドローで弦のノッキンクポイントからグリップのピボットポイントまでの水平距離。

3)強さ・ポンド(draw weight)


Bow designated draw weight:
Bow weight shall be designated as the force required to draw from brace height to ATA Actual Draw Length of 28 inches.

弓の呼び引き強さ:
brace heightからATA引き尺で28"まで引くのに必要な力を弓の呼び強さとする。



2. リムの効率
1)引き尺が短い人(一般に背の低い人)が、長い弓を引くと、引き込み不足になり
2)引き尺が長い人(一般に背の高い人)が、短い弓を引くと、引き込過ぎとなる、
と言われています。

1)は、弓の性能を100%は発揮できない(矢速が遅くなる)が、弓を射ることに問題はない 2)は、Stacking Pointを過ぎて、弓が引き難くなり、さらに引くと危険である
と言われています。


この「弓の性能を100%は発揮できない」「弓が引き難くなる」をForce-Draw Curveを使って考えてみます。



Force Draw Curveは、弓を引いたとのリムからの力(左の軸)とリムに蓄えられるエネルギー量(曲線の下の面積)を引き尺(Draw Length 下の軸)との関係で表すグラフです。(矢速を考える 参照)

引き始め、Brace Heightから一気にリムの反力が上昇し、その後、引き込み量に合わせてリムにエネルギが緩やかに蓄えられます。

リムの反発力の上昇率(曲線の傾き)が、Brace Heightから曲線に引いた接線に近づく直線部をSweet Spotと呼び、リムが高い効率を示す引き尺です。

Brace Heightから曲線に引いた接線との交点をStacking pointと言います。

3)「弓の性能を100%は発揮できない」わけ
フルドローの時にSweet Spot付近まで弓が引かれていることを前提にリムは設計されす、その付近でリリースされたときリムの能力が発揮されます。

Re-curve(後ろに反り返った)Bow(弓)の特徴は、リムの先端の反り返った部分が反発力の源であり、その部分の反発力を効率よく使うには、リムから弦が十分に離れる必要がありますが、引き尺が短い人が長い弓を引くと、リムから弦が十分に離れません。(写真参照) 

4)「弓が引き難くなる」わけ
Stacking pointより更に引き込むと、急激にリムの反発力が強くなり、弓が引き難くなります。(リムが硬く感じられる

さらに弓を引き、リムと弦がなす角度が90度付近になると、弓を引く力はリムから弦を外す力となり、弦が外れる可能性があり非常に危険な状態となります。

3.引き尺と弓のサイズ
引き尺が短い人でも、引き尺に合ったサイズの弓を選ぶことで、フルドローの時に効率のよいリムの形を作ることができます。

図は、68"Bowのサイズを1として、各弓のサイズに合わせて図を拡大(70"Bow)及び縮小(66"、64”Bow)したものです。



各図とも弦とリムがなす角度は同じで、相似則が適用できない寸法は、DLPP(Draw Length Pivot Point)に1 3/4”加えてATA Draw Lengthを求める部分です。

この部分を考慮して、各弓のリム効率の良い引き尺を求めてみます。

68"Bowの引き尺 が28"(ATA Draw Length)の時、リムの形(効率)がよいと仮定します。

ことのき、引き尺のDLPP部は、相似則により弓の長さに比例するので、各弓の引き尺をATA Draw Lengthで表すと、
(Bow Size/68"Bow Size)x(ATA-28"のDLPP(28-1.75))+1.75
となります。

実際に各弓のリムの形(効率)がよい引き尺は、
 70"Bow --->70/68(28-1.75)+1.75=28.8"--->29"
 68"Bow --->68/68(28-1.75)+1.75=28"
 66"Bow --->66/68(28-1.75)+1.75=27.2"-->27"
 64"Bow --->64/68(28-1.75)+1.75=26.5"--->26"
となります。

最初に書いたUukhaの取説と同じ結果ですが、意図したものではありません

弓サイズと引尺を考える その2」は、Uukhaのリムデータを用いてForce Draw Curveを描いてみます。

2019年4月24日水曜日

矢の硬さを考える-その2

前に矢の硬さを考えるで、矢の固有振動数はその重量を重くすると小さくなり、軽くすると大きくなると書きました。(固有振動数 ∝ √1/重量 の関係)

言い換えれば、矢を重くすると矢は柔らかい側に変化し、軽くすると硬い側に変化することになります。

この法則で、矢が硬い傾向にあるときポイントの重量を増やし、矢の特性を柔かい側に変えることができます。

一方、矢が硬いときの対策として、羽を重いゴム羽から軽いスピンベーンに変更する対策があります。これはノック側を軽くして矢の特性を柔かい側に変える方法で、前の説明と矛盾します。

矢のノック側でも重量を増した場合、矢の振動数が増加し柔らかい性質を持つはずですが、なぜ硬い性質を示すのでしょうか。

ノック側の重量を増した場合、矢の振動数は先の通り小さくなり、矢の性質(固有振動数)は柔らかい方向に向かいますが、重量増加でノック側の慣性力が大きくなり、振動の振幅は小さく(注)硬い特性を持ちます

この振幅減少の方が、振動数減少より矢の硬さへの影響が大きく、ノック側の重量を増した場合、矢は硬い側に移行します。

注)硬いものは、柔らかいものより振幅が小さい

ある論文(The Mechanics of Arrow Flight upon Release)に次の記述があります。
-----------------以下引用------------------------

A larger mass at the tip of the arrow will causes the tip to resist the initial change in motion from the force applied by the shaft, causing the shaft to deform more, with the same effect as decreasing the stiffness of the shaft. A smaller tip mass would have the opposite effect.

ポイント側(tip)の質量を増加させると、シャフトに働くポイントの慣性力がシャフトの初期変形を起こさせ、シャフトの変形を大きくするため、シャフトを柔かくしたのと同じ効果があります。小さくした場合は逆の影響があります。(注)

Conversely, a larger mass at the tail of the arrow creates a tendency for the tail to resist the initial change in motion from the force applied to the bowstring, causing the shaft to deform less, with the same effect as increasing the stiffness of the shaft. Reducing the tail mass would have the opposite effect.

一方、ノック側(tail)の質量を増加させると、弦から受ける力に抵抗するノック側の慣性力でシャフトの変形が小さく抑えられるため、シャフトを硬くしたのと同じ効果があります。減らすと逆の影響があります。

Increasing the mass at the tail of the shaft would have no effect on the static spine, would cause the arrow to appear stiffer when launched, but would decrease the frequency of vibration.

ノック側(tail)の質量の増加は、静的スパインに影響しませんが、矢が発射されるとき硬い性質を現しますが、振動数は減少させます

------------引用終わり----------------

注)ポイントの慣性力(質量がある物体が外力に抗してそこに留まろうとする力)と弦がノック(シャフト)を押す力(横方向と軸方向の力)がシャフトに作用し、シャフトは曲げ振動をはじめます、また、質量(重さ)が大きいほど慣性力は大きくなります。

この現象を数値解析した論文(アーチェリーパラドックスにおける弓具や射形の動力学モデルと調整)に次のデータが記載されています。(原文の表は英文)
--------------以下引用--------------------

表2. 矢の振動周期[ms](1)の変化率
矢のパラメータ 
変化率
変化率(US単位)
シャフトのサイズ [1size](3)   
-0.72[ms/1size]
-0.72[ms/1size]
シャフトの長さ  [cm](5)
0.22[ms/cm]
0.559[ms/inch]
ノックに重さ [0.1g](4)
0.05[ms/0.1g]
0.032[ms/gr]
ポイントの重さ [g](5)
0.19[ms/g]
0.012[ms/gr]



表3.ノックの振幅(mm)(2)の変化率
矢のパラメータ 
変化率
変化率(US単位)
シャフトのサイズ [1size](3)   
-3.21[mm/1size]
-3.21[mm/1size]
シャフトの長さ  [cm](5)
0.52[mm/cm]
1.32[mm/inch]
ノックに重さ [0.1g](4)
-0.51[mm/0.1g]
-0.306[mm/gr]
ポイントの重さ [g](5)
0.51[mm/g]
0.306[mm/gr]


------------引用終わり----------------

注)
(1) 振動周期[ms]:1往復シャフトが振動するのに要する時間(1/1000秒単位)周期は振動数の逆数。

(2)ノックの振幅:ノックの先端が振動で振れる幅(mm)。

(3)シャフトを1サイズ(1714 X7 スパイン0.963 を 1814 X7 スパイン0.799)変えたとき、矢は硬くなり振動周期は0.72ms 短く、ノックの振幅は、3.2mm狭くなる。
スパインを小くするとシャフトは、曲がりにくくなるため、振動周期は短く、振幅は小さくなる。

(4)ノック側を重くした場合、振動周期は長く(振動数は小さく)なるが、振幅の減少率が大きく、矢は硬い性質を持つ

ノック側を0.1g増加させたときの変化率とシャフトを1サイズ変えたときの変化率と比べると(ノック側を0.1g増加の変化率/シャフトを1サイズの変化率)

  - 矢の振動周期: 0.05/(-0.72)=-0.07

  - ノックの振幅: -0.51/(-3.21)=0.16

となり、ノック側の重量増加は矢を柔かくする効果より、硬くする効果の方が大きいことがわかる。

(5)シャフトを長くしたときと、ポイントを重くしたときはともに、矢の振動周期は長く(振動数は小さく)なり、かつ、振幅は大きくなるので、矢は柔らかい性質を持つ。

--蛇足---


矢の挙動に影響を与える矢の要素

矢の要素                         変化      振動数        振幅            矢の硬さ

シャフト長                     長くなると   小さくなる  広くなる   柔らかくなる

シャフト外径                 大きくなると  大きくなる  狭くなる 硬くなる

シャフト弾性率             大きくなると  大きくなる     狭くなる    硬くなる

シャフト密度                 重くなると     小さくなる      広くなる    柔らかくなる

ポイント側重さ             重くなると   小さくなる     広くなる    柔らかくなる

ノック側重さ                重くなると   小さくなる      狭くなる     硬くなる(注)

注)発射時


2019年1月26日土曜日

羽の違いを考える

シャフトの新調に伴い羽も変えてみようかと、友人に頂いた「Kプロダクツ フロナイトソリッドベイン」と従来から使用している「RANGE-O-MATIC スピンウィングベイン」を矢に貼り、各3本を同時に試射してみました。




結果から言えば全く同じにしか見えません。(各10点2本、9点1本)
当然と言えば当然の結果です。距離が短い(25m)ので矢の回転よる修正の違いは的面には表れない。(70mならば、違いがでるか?)

FOC(注)(Front of Center)は全く同じで、飛びも同じ

前回、羽のオフセットについて考えるで述べたようにう、短距離では羽による修正力よりシャフト自身の特性が結果を左右するようです。





注)FOCとは、矢の重心の位置を表す指標で、図のLとAから、
    FOC(%)=100*(A-L/2)/L 
で計算されます。(矢の重心:矢の前側と後ろ側で、天秤が釣り合う点

一般的(ターゲットの場合)に、FOCは、11%から16%程度が適正と言われているようですが、今回の私の矢のFOCは、L=725m、A=485mmで17%程です。

前側が重いトップヘビーとなっていますが、トップヘビーは矢が飛ぶときポイントが矢を引っ張る形となり矢飛びが安定し、羽に作用する空気抵抗の修正力を効果的に利用することができます。

しかし、あまり重いポイントにすると矢全体が重くなり矢速が落ちて、矢が山なりに飛び着矢の精度が落ちます。

今回は、ACEよりポイントを軽く(110grを100gr)したにも関わらず、トップヘビーとなったのは、シャフトを軽くした効果の現れです。(ACEのFOCは18%程度でした)

ターゲットの場合、High FOCが求められる説明がNetにありましたので参考まで。

 Why do FITA shooters prefer a high amount of FOC?

They are seeking precision long range accuracy.  To achieve this, the arrows must be very stable in flight.  High FOC permits stabilization from relative smaller fletching.  Smaller fletching offers a lower drag factor and is less subject to the effects of cross-winds than larger fletching.  These factors become important at the extreme ranges at which FITA shooters compete.

2019年1月25日金曜日

羽のオフセットについて考える

ACEを2年ほど使っていたいましたが、軽い矢を求めて、SKYLON の Paragon シャフトで矢を新調しました。 

仕様は、
今までの矢:ACE-670(スパイン 670 径5.35mm 5.9gr/inch ポイント 110gr)
新調:Paragon-750(スパイン 750 径4.63mm 5.31gr/inch ポイント 100gr)

非力なアーチャーにとって、「軽くて・細い」は、絶対的な正義。(のはず?)

ACE-670に比べ、矢のスパインを750と柔かくしたのは、ParagonはFull Carbonでピンノックのため、硬いと考え2ランク柔らかいものを選びました。

早速、ベアシャフトチューニング(25m)、結果は左の写真の通りで、ベア(3本)と羽根つき(3本)が、ACE-670の弓のセッティングのままで区別がつかない位置にきました。







あとは、プランジャーのばね圧で一番グルーピングがよさそうな所を探って、ばね圧を強めたところで、うまくいったようです。



チューニングに使った的は、大体黄色に入っているので、特に調整しなくてもOkだったかもしてません。

シャフトを選ぶとき、2ランク柔らかくしたのが正解だったようです。


話は代わって本題、矢の羽を貼るときのオフセット(ピッチとも言う)について考えてみます。

オフセットの目的は飛翔中の矢に回転を与え、矢尻がポインの後をよく追うようにし、グルーピングの向上を狙うものです。

あるサイト「Helical vs. Straight Fletch: Accuracy and Repeatability」(http://archeryreport.com/2011/07/helical-straight-fletch-accuracy-repeatability/)に次の写真が掲載されていました。

この写真は、40yard(約36m)の的に、各23本のHelical(らせん状)の羽とストレート(オフセットなし)の羽の矢を射ちこんだものとの説明があります。

一見するとほとんど同じに見えますが、ややHelicalの方がグルーピングが良いようです。

左の写真は、Straight(ストレート)、Offset(オフセット)Helicalの様子ですが、Offsetは羽を貼る時に、シャフト対して角度を付けることで、Helicalと同じ効果をねらったものです。

しかし、矢を回転させるエネルギーは、羽の空気抵抗により生み出され、矢速の低下を招きます、極端な場合「失速」という悪影響生み出します。(矢がふらふら飛ぶ)

Helical vs. Straight Fletch: Speed and Deceleration (http://archeryreport.com/2011/07/helical-straight-fletch-speed-deceleration/)に軽い矢の場合、30yard(約27m)で11%の矢速が失われると書かれています。

前に、「ベアシャフトも回転しいる」に書いたように、リリース時のストリングの動きにより矢に回転が生み出され、ストレートの羽の矢を射っても矢はきれいに飛びます。

特に、短距離(18m以下)では、ストレートとピッチ付き羽でグルーピングに違いは出ません。(ベアシャフトチューニングでは、羽がなくても同じところに集まります。上の写真)

パラドックの影響がある距離では、矢尻が左右に振れるため、矢の回転数アップによる精度向上は期待できません。

短距離で、羽による矢の精度の向を図るためには、矢尻が左右に振れのを止めるため面積が大ききく空気抵抗の大きい羽を、太く長い矢に貼る必要があります。

非力なアーチャーがそれを行うと、大きな空気抵抗のため矢速が失われ「失速」が起こり、かえって命中精度が悪化します。

特に、子供のように低ポンドの弓で山なりに矢を射る場合、矢速をいかに高く保つかを第一に考える必要があり、低速の矢にピッチをつけても無意味です。

また、つぎのような説明もありました。
For competition target setups that don't require much stabilization, the straight fletch may be the best option.

多くのサイトで長距離またはハンティング以外の用途では、羽の貼り方はストレートで良いのではないかと言われています。

2018年11月13日火曜日

矢の回転方向

長いお休みののち、再開します。(アーチェリーを休んでいた分けではありません、話題がなかったので、お休みしていました。)

前に「ベアシャフトも回転してる」に「ノックの上と下で力がアンバランスであれば、そのアンバランスで発生した力はシャフトの中心点を通過せずに、回転運動が始る」と矢の回転の始まりについて書いていますが、今回はその回転方向について考えてみます。(話は全て右射ちの場合です) 

矢は、羽の有無にかかわらず弦から矢が離れる瞬間に回転をはじめます。(弦が左前方向に動いている(ノックを左前に弦が押している)ときに、矢は弦から離れます。)

多くの右射ち(右手が引手)の人は、矢をノック側から見たとき右回転(時計回り)で矢は飛んでいきますが、たまに右射ちにも関わらず、左回転(反時計回り)の人も見受けます。

この左回りする矢に、右射ち(右回転)用の羽を貼ると、矢が飛んでいる途中で回転方向が左から右に変わるため、矢の振れが一瞬大きくなる変換点(回転数0の点)が発生し、矢の軌跡が大きく振れることがあります。 

飛んでいる途中で大きく尻りを振るときは、矢の回転方向を確認してみてはい如何でしょうか。(方法は末尾に)

さて、回転の方向が異なるわけを考えてみます。

1)右射ちで右回転の矢(人)
弦からノックが離れるとき、ノックを横に押す力がわずかに下側が強いと右回転となる。

a. リリースの時、弦が指示指、薬指、中指から同時に離れる人は、「ベアシャフトも回転してる」に示したように、矢は左側に動く弦から離れるとき、上側の弦より下側の弦が速く動くため、ノックの下側に強い横方向の力を受け右回転が始まります。

理想的なリリース(3本同時)


弦の軌跡とノックが離れる位置、ノックには前(図では左)へ押す力と、左(図では下)に押す力がかかる

b.リリースの時、下側の弦を引いている薬指を弦が滑り、一番初めに薬指から弦が離れる人(多くの人はこのタイプ)は、a.の下弦の速さに加え、薬指の位置の弦が早く進むため、a.のときに比べ矢は少し速い速度で右回転(時計まり)を始めます。

2)右射ちで左回転の矢(人)
一方、弦からノックが離れるとき、ノックを横に押す力がわずかに上側が強いと左回転となる。

リリースの時に、最初に指示指を弦が滑りはじめ、指示指近くの弦が左側に早く振れる人でその部分の速さ(上弦の速さとはじかれた部分の弦の速さの和)が、ノックの下弦の速さより速いとノックの上側の方が強く押されるため、矢は左回転(反時計まり)をはじめます。



指示指から弦が滑り出す人がすべて左回転(反時計まり)になるわけではなく、ノックの上部分に横向きの力が強く働く人のみです。ほとんどの右射ちの人は右回転(時計回り)となります。

私の知る限り、右射ちの人で左回転の人は3名です(率でいえば1%前後かと思います)。左射ちで右回転の人は一人も知りません。

補足: 矢の回転方向を調べる方法
近射(1mぐらい距離、羽による回転が始まらない距離)を水平に行い、刺さった矢のコッ
クベインの位置で回転方向を確認する。


a.コックベインが打ち出す前より左上側にある---- 右回転(時計回り)
b.コックベインが打ち出す前より左下側にある---- 左回転(反時計回り)


羽の影響を取り除きたい場合は、ベアシャフトで同じことを行う。(コックベインの位置に印を忘れずに)

左回転の人は、右射ちでも左射ち用の羽を貼れば、左回転のまま矢が飛んで行くため変換点は現れず、点数アップにつながります。

2017年5月26日金曜日

伸び合いを考える

リリース直前にアンカーから数ミリ引いて(押して)クリッカーを落とします

この動作は伸び合い・ファイナルドロー・エクステンション等呼び方が色々あるように、その実現の方法(意識)も色々あるようです。

具体的には、
  • アンカーに入れる時の引手の引き動作を継続させる意識で引く
  • 引手の肘を締める意識で引く
  • 押手を的に押し込む意識で押す
  • 引手の肘を背中の方向に回す意識で引く
  • 背中(バックテンション)を使う意識で押し・引く
  • 上記の複合技で伸びあう意識
----------------------------------------2017/05/29 追記------------
World Archery Coach's Manual : Entry Levelに伸び合いの肩甲骨等の使い方について幾つか例が記載されていましたので、箇条書きにて紹介します。

6.10. DRAW EXPANSION
Other common names for this essential technical skill: “Full draw efforts”, “Draw increase”, “Extension/expansion

Bow Scapula action:  押手の肩甲骨を動かす方法
  • 押手の肩甲骨を前(的側)に出す
Various String Scapula Actions: 色々な引手の肩甲骨動作

引手の肩甲骨では、伸び合いとして幾つかの方法がある
  • 肩甲骨を背骨側に寄せる
  • または、背骨から離す
  • または、動かさない
1. 引手の肩甲骨を背骨側に寄せる方法
1.1.引手の肩甲骨を背骨側に水平に寄せる、“BackTension”として知らている
1.2.引手の肩甲骨を尾骶骨の方向(斜め下)に寄せる
1.3.引手の肘を上側に動かし、引手の肩甲骨を上にあげる

2. 引手の肩甲骨を背骨から離す方法
2.1 引手の肘を水平に後方(的から離れる方向)に引く
2.2 引手の肘を水平より下向き後方(的から離れる方向)に引く
2.3 引手の肘を水平より上向き後方(的から離れる方向)に引く

3. 引手の肩甲骨を動かさない方法
引手の肘を水平に斜め後ろに引き、肩甲骨を動かさない(多くのアーチャーがこの方法を自然に行っている

などが記載されています。
---------------------------------------2017/05/29追記終わり------
等々ですが、どの意識(動作)も共通して、ドローイングで使用した背筋(背中の色々な筋肉)を用いて、両肩の肩甲骨を近づけるなど、猫背にしようとする弓からの力(矢筋のバランスを考える)に対抗して最後の数ミリを伸びます。

(写真は、Back tension: How to execute a shot with a recurve bow | Archery 360より引用 )


また、このとき両方の肩甲骨を背骨側に寄せる背筋(大・小菱形筋)は、肩甲骨の内側縁で前鋸筋と繋がっており(筋連結)、共同して働くことで肩甲骨を安定させています


菱形筋:肩甲骨に下方回旋と内転を起こす
前鋸筋:肩甲骨に上方回旋と外転を起こす

は,肩甲骨に対しまったく逆の動きを起こさせるものですが、相互に連携して肩甲骨(肩の位置)を安定させています。

また、菱形筋、前鋸筋とも肩甲骨を安定させるとともに肩甲骨(肩)を下に引く働きがあり、最後の伸び合が完成するときには、肩が少し下がっているはずです。

逆説的に言えば、伸び合いで肩をほんの少し下げることができれば、クリッカーが切れるかもしれません。

前に書いた、呼吸について考える息を軽く吐きながら、リリース(クリッカーを切る)とも符合します。

力を使っていない時、胸に溜まった息を吐くと、体の中の空気が抜け肩(肩甲骨)が自然に下がります。

背中の力を使っているときでも、菱形筋、前鋸筋の働きで肩甲骨が安定(静止でバランス)している状態で、体の空気をぬけば、肩が自然に下がり伸び合が完成し、クリッカーが落ちることになります。

と言うことで、私は、伸び合の時、息をを吐くことを意識しクリッカーを切るようにしています。(このとき、引く・押すの力を決して緩めてはいけません、緩めては、息を抜いただけではクリッカーは切れません。)

2017年4月24日月曜日

スピンベーン専用フレッチャーを作る


スピンベーンの説明書(FLETCHING INSTRUCTION FOR ORIGINAL SPIN-WING  VANES) のFigure 4.には、一般の羽に比べてちょっと変わった位置に貼るように説明されています。 

具体的に説明図を読み解いてみます。


Figure 4.の図に補助線を引いたのが左の図です。

スピンベーン(青-右利き用)は、一般的な右利きの羽(赤)の位置より左利き(ピンク)の位置の近くにあります。

正確には、左利きの羽(ピンク)より15°反時計回に回転させた位置にスピンベーンの端があります。

120°用のフレッチャーで線を引いた場合、その線は、赤またはピンクの位置には引くことができますが、青(スピンベーン用)の線を直接引くことはできません。

15°の違いはどうすれば実現できるでしょうか?
まず、フレッチャーに矢を左利き用の線が引けるようにセットします。


A) 線を引き、線の中心に羽の端を合せて貼る、ノックを15°時計回りに回す
B) 線を引き、線に中心から15°離れた位置に羽の端を合せて貼る
C) 15°離れた位置に線を引き、線の中心に羽の端を合せて貼る

などがあると思います。

上の図では15°の違いは相当あるように見えますが、実際の矢の円周上での距離は、直径6mmの矢の場合、約0.8mmになります。

0.8mmは、矢に引く線の幅と同じぐらいですので、私は、

D) 線を引く時にちょっと加減して、線の幅半分分ずらして線を引き、線幅の片側がフレッチャーの作る線で、その反対側が15°ずれた線、その線の端に羽の端を合せて貼る

を行っています。

しかし、この15°には大した意味はなく、こんな感じでスピンベーンを貼れば、羽がレストに接触する可能性が低くなことを説明しているだけだと思います。

そんな訳で、「フレッチャーで引いた線の中心にテープの中心を合わせ、テープの端に羽の端を合せる」もありかと思います。

テープは約2.5mm幅なので、片側1.25mm(24°)ぐらい、僅か0.45mm差です、手で貼っている限り、これくらいの誤差は発生すると思いますので、深く考える必要はないレベルです。

最近のスピンベーンの説明書では、120°用のフレッチャーで線を引き、スピンベーンを貼った後で「レストに対し適正なクリアランスが確保できるようにノックを回せ」Aと同じ)と記述されています。

また、回す量(角度)と方向は人それぞれと言ったところで、万人に最適なものはなく、羽がレストに接触する場合は、ノックくを僅かに回して調整します。

1) 矢の上側の羽がレストに接触する場合
矢の回転が速いので15°が大きくなるように時計回りにノックを回し、羽がレストに最接近するタイミングを遅らせます。

2) 右側の羽がレストに接触する場合
矢の回転が遅いので15°が小さくなるように反時計回りにノックを回し、羽がレストを通過するタイミングを早めます。

前置きが長くなりました
私の場合、上の図の通り15°ノックを回した位置で、レストと羽が干渉しないので、図の通り羽を貼っています。

今回、この15°を正確に設定できるスピンベーン専用のフレッチャーを作成しました。(単なる趣味ですが)

外観はこんな感じです。
白いバーの下に矢を入れます。

部品代は、5百円といったところ。(百均でそろえた)
白いバー: 磁石で紙を止めるのもの外側
円盤: 木製茶たく


時計(木製茶たく)の文字盤、中心のノブを回すと矢が回ります。
回転角度は針で表示。

矢は360°好きな位置に回すことができますが、120°ごと(赤い線)に固定用のピンを刺すことができるようになっています。

また、弦(中心にある黒い線)の位置は、15°のオフセットをつけているので白いバーの中心線が、羽の端の位置となります。



この位置に合わせて羽を貼れば、線を引かずに羽を貼ることができます。

45mmのスピンベーン専用のホルダーを使い、じかに羽を貼っているところ。




1枚貼り終わり
両面テープホルダー
45mmのスピンベーンホルダー

ホルダーを使わずに、バーに羽をセットできるよに改造。(2017/05/05)
クリップホルダー

クリップホルダーをセット

フレッチャーにセット

2017年4月5日水曜日

グリップの改造

グリップを改造してみました。
今までに何回も改造していましたが、久々に大きく形を変えたので、その内容と改造の方法を書きます。
グリップの押し方を少し変えたら、なんだか当たりが不安定なので思いきって変えてみました。


今までは、グリップのピボット部を主に押し、手のひらにはほとんど触れない押し方をしていましたが、分けあって、ピボットと親指の根本のふくらみ(ピボットから1cm~2.5cm下)を圧力ポイントに変更してみました。(詳細は別途)

その時、圧力ポイントの当たりがしっくりこなかったので、当たる部分の面積の広かったグリップの形状を、細く長いものに変更しました。

右が改造前、左が改造後。

大きく丸みがあったものを、押手の生命線がグリップの左端にピッタリ合うように、手の大きさに合わせて改造しました。

結果、押手の座りがよくなったように感じます。



以前(右)は手のひらが接触しないようにピボットの近くを直角に近くし、その後(下の方)は、丸みを持たせてクリップの元の角度に合わせていましたが、今(左)はピボットから直線的な平面になるようにしました。



改造の方法は、次の手順で行っています。


1. エポキシパテ(グリップメーカーやその他)の造形剤で土台を作っる。
固くて、グリップにシッカリ接着されるで、次に使うシリコン素材が取れないようにグリップとパテの間に引っかかりを作る




2. 熱変形シリコン(型想い等)を熱して自由に変形できるようにし、エポキシパテの上に重なて造形していく。

冷めてくると、固くなってくるので、必要に応じヒートガンで熱しながら造形する。
追加が必要な時は、追加される部分を熱した上で、追加の柔らかい熱変形シリコンを重ねることにより一体化される。

熱い時は、非常に柔らかいが、少し冷めると適度な柔らかさになるので、ヘラ、丸棒などで押さえると、色々な形になる。

完全に冷える(室温になる)と硬化するので、グリップとして使える十分な硬さとなる。(熱すれば再度、柔らかくなる。)

3. 調整(試射をした後等)
大まかな形を2で作ったら、変形したい部分のみを熱し、柔らかくしてヘラなどで調整する。
形が自由になるので、すべてエポキシパテで作るより改造が非常に楽です

4.接着
シリコン樹脂を直接接着したい場合は、熱変形シリコンで貼りつける物の型どりをし、樹脂が硬化した後、シリコン用のプライマーを塗布し、瞬間接着剤で貼り付ける。(取れやすので強度が必要なところには不向き)

グリップの変遷(改造の履歴は数えられませんが、大きなもは3回です)


改造する前。










最初の改造、握れないように左にこぶをつけています。








先日まで使用していたもの。
ピボットの押やすさを主眼にした形。


左、今回の改造、試射前。
右、試射後、下に伸ばした。
ハイリストグリップと言われるものに近いと思います、角度は前のピボット押しと同じで、だいぶ深くできています。

試射の結果、手のひらよりグリップを長くし、生命線の終わりまで、グリップに当たるようにしました。


2017年4月3日月曜日

リムのおへその名前

リムのおへそ、リムをハンドルに入れる時にカッチと音がするおへそ
でべその様に真ん中にポッチがある、ばねが入っている丸いガイドのような物。

左の金属製の部品。名前がわからないので調べてみた。

丸いところの名前は、Dovetail (ピッタリはめる)、中の動くピンは Detent (戻りどめ)と言うみたいです。

Dovetailと言う名前で一式が部品として売らています。
渋谷アーチェリーでは、(HOYT)「 リムガイドキットセット」の名前で売られていますので、ガイドもはずれではないようです。

さて、この部品の役目はなでしょうか?
Hoytのマニュアルには、

Carefully align the limb dovetail bushing with the corresponding slot in the riser pocket. Push the limb into the pocket until the detent button engages. You will feel or hear a light “click” when this occurs, and the limb will stay in place under its own weight when fully seated.

とあるので、カッチと音がするおへそも間違いではないようです。
このカッチ感は、リムを所定の位置にしっかり入れ、自重では動かないようにするためものです。

このおへその役目は2つ
1)Dovetail : 正確な位置にピッタリ合わせる   -----外側の丸い金属部品
2)Detent : 弦を張るまで自重で動いて戻るの防止する ---- ばねとピン

最近、Detent(ばねとピン)のないリムを組み立ている人がいたので、「なぜか?」と聞くと、「はずれて無くした」との返事。

無事に弦を張ることが出来れば、Detent(ばねとピン)はなくても問題なさそうですが、「弦を張る途中でリムが外れると事故につながりますよ」と先輩に注意されていました。

このDovetail 案外良くはずれるようです、最近、2人に問題がありました。
一人は、前記のなくした人。
もう一人は、異音がするので調べてみたら、ネジがゆんるんでいた人。

緩める必要がないネジには、「回り止め」を付けておくのも事前の対策になるかもしれません。