2014年6月27日金曜日

標準偏差を考える

昨日のグラフを再度見てみます。


グラフの内容は、昨日の説明を参照していただくとして、得点の75区間移動平均線(上の線)と標準偏差の75区間移動平均線(下の線)を比較してみると、スランプ期間(420回-510回)以外は、逆の動きをしています。

標準偏差の線が下がる(グルーピングの円の半径が小さくなる)と得点が上がるのは、一般的に言われている関係です。

それに対し、スランプ期間は、標準偏差の線が下りグルーピングがよくなっているにも関わらず、得点の線も降下して高得点が出なくなっています。

グルーピングがよくても点数が出ない理由は、グルーピングの中心が的のセンターからずれているためです。

普通は、サイトを合わせれば、高得点が期待できますが、スランプ時はサイトを合わせても、すぐにグルーピングの中心が的のセンターからずれて行きます。(私の場合ですが)


次のグラフが、グルーピングの中心が的のセンターからはずれ得点が伸びない例です。

棒グラフが実際の矢1本ごとの得点分布(合計296点)で、折れ線がσ=1.18から予想される(確率の)得点分布です。

σ=1.18は、グルーピングの中心が的のセンターなら305点程度は取れるはずですが、9点、7点が予想より少なく、8点、6点が多くなり得点が伸び悩んでいます。

ここから、私のスランプの特徴が見えてきます。
顔向け、アンカー、取かけが安定せず、行射ごとにグルーピングの中心が的のセンターからずれて行くためと考えられます。


次のグラフは、σが大きくても得点が高い例です。

σ=1.8から予想される(確率の)得点は266点程度ですが、実際の得点は297点と確率予想よりだいぶ高い得点となっています。

これは、Mが1本あるため、標準偏差σ(着矢のバラつき)が大きくなっているためです。

1本のMを8点に代えてみると、σ=1.11(確率予想310点)、 得点は305点になり標準的な分布となります。











2014年6月26日木曜日

移動平均を考える

第299回 練習

今日は、月末の木曜日で月例の記録会が開催されました。

いままでは、練習時間内で各人が得点記録(回数制限なし)を採り、最高得点を自己申告する形をとっていましたが、今回から試合形式で、2分3射、36射x2回の相互看的で記録をとりました。

2回の内、良い方を記録するのは、従来と同じで、今回326点、330点の内330点を今月の記録としました。

時間を計り、一斉に行射する形は、記録会といえども練習と違い、試合のような緊張感を持って練習ができました。

休憩時間に、得点の上下が、調子による波なのか上達(または、スランプ)による得点の変化なのかをどう判断すればよいかが話題となりました。

株価の値動きで、短期的傾向と長期的傾向を見るための手法として移動平均線を用いる手法があります。

移動平均線は、ある日から遡ったある期間の終値の平均値を連続して計算し、日々の株価の傾向を見るものです。

10日移動平均線であれば10日分(6/10〜6/1)の終値を合計して10で割り、その日(6/10)の移動平均とします。 次の日(6/11)は10日分(6/11〜6/2)終値を合計して10で割り、その日(6/11)の移動平均とします。

これをアーチェリーの得点に当てはめて、10区間の移動平均線と75区間の移動平均線を510回の30m-36射の記録に適用してみました。



上側の青い点が、30m-36射-80cm的の個別得点データで、左軸に対応するものです。
X軸は、第1回の記録から510回までの時系列順です。

下側の赤い×は、各回に対応する36行射の標準偏差σで、右軸に対応します。

上の得点データの10区間移動平均が紺色の線で、75区間移動平均が茶色の線で表示されています。

10区間移動平均線は、鋸の刃のようにギザギザですが、75区間移動平均線はなだらかな変化を示す曲線となっています。

10区間移動平均線は、 短期的な得点の変動でその時々の調子の良し悪しを表します。
一方、75区間移動平均線は長期期間の変動で技量の変動を表すことになります。

75区間移動平均線が高ければ、得点能力が高く、低ければ得点能力が低いことを示しています。

75区間移動平均線より10区間移動平均線の方が上にあれば、75区間移動平均線が上昇し続け、得点能力がアップしていることになり、上達期と言えます。(170回から300回の間)

また、75区間移動平均線を挟んで10区間移動平均線が変動し、10区間移動平均線の変動が小さければ、得点能力が安定していることになり、安定期と言えます。(300回から420回の間)

10区間移動平均線が落ち込み、それを追うように75区間移動平均線が落ち込めば、スランプの到来です。(420回から450回)

450回から500回の間では、10区間移動平均は回復を見せますが、75区間移動平均の落ち込みが続き、また、10区間移動平均が下降し、スランプの脱出に失敗です。

さて、今回の10区間移動平均の回復は、スランプの脱出に結びつくか?。(500回から510回)

標準偏差σの変動は得点の変動と概略逆の動きを示しますが、微妙に違いがあります、その違いの検討は、次の機会に考えてみます。





練習再開

第297回 練習

10日ほど練習を休んでいました。
弓が引けるかと心配していましたが、引くのは問題なし。

練習後、肩が少し痛いのですが、これは練習を休んでいたためか、フォームに無理があるのか不明です。

成績の方は、はじめは調子が良かったのですが、しばらくすると矢が左に逸れ出しました。理由も分からず復帰初めての練習を終わりました。

引手の指示指が矢に当たり痛くなるし、引尺は短くなるはで、せっかく、10日前は調子が良かったのに、また、一からやり直しです。



第298回 練習

復帰2日目。
はじめは、昨日よりちょっと調子よく、30m-36射 306点、312点と時々6点、7点と矢がばらけていましたが、後半は、329点(7点-0本)、322点(7点-2本)と調子が戻ってきました。

後半は、押手は押すなを思い出して押さないことに注意して撃ってみましたが、クリッカーを落とすのが苦しくなるとどうしても押手を使ってしまします。

やはり、押手に少しでも力を入れると矢のバラケが大きくなります。

これで、一応お休み前に復帰できた感じです。

2014年6月21日土曜日

引手の異変

ここ一週間アーチェリーの練習をお休みしています。

10日ほど前、引手の薬指の第二関節に違和感があり、指の使い過ぎで、筋でも痛めたのかと湿布を貼って2日ほど練習をしていました。

3日目には違和感もなくなったので、湿布をやめ、先週の土曜日には練習をしましたが、練習後、関節の痛みとは違う指全体の痛みを感じていました。

その後、薬指と手の甲が腫れてきて、ジンジンとした痛みもでてきましたので、病院で抗生剤と痛みどめを処方され、安静にするようにとの指示もあり、極力指を使わないようにしていました。

明日は、日野の市民大会ですが、とても弓を引ける状態ではないのでキャンセルとなります。
やっとタイプが打てるようになったぐらいですから、とても弓は引けそうもありません。

2014年6月14日土曜日

押手は押すな

第296回 練習

久々に気持ちの良い練習ができました。

25m 40cm的 (擬似50m)     282点(36射)
30m 80cm的             327点(36射)

600点越え(擬似ですが)です。

帰れまTen(実際にはGold(9点以上)でOk)で、3射連続Goldで練習を終わるようにしているのですが、今日は1回であっさりクリアーしました。

今日の最大の成果は、押手の肩の安定がグルーピングに如何に影響するかを実感したことです。まさに、パクキョンライ氏の言を実感したことになります。

パクキョンライ氏(韓国でオリンピック金メダリストを育ててきた人)によれば
   シューティングの上で一番大事なことは、押して側の肩甲骨を安定させること。
とのことです。

協会の指導員の方によれば、「弓に力を掛けない状態で、取掛けとグリップを決め、あとは素直に押手を引上げて撃つ」だそうです。

また、押手を押すのは厳禁だとも言われていました。(矢が左右にぶれます)

今日は、押手の肩を落とすつもりで、色々試してみましたが、ことごとく失敗の巻きでした。結局、「素直に押手を引上げて撃つ」が、一番引き尺が長いことが分かりました。

また、クリッカーが切れない時、押手を的に押し込んでみましたが、これも失敗。8点、7点が出てしまいます。

押手の手首を下に向ける程度のピボットをちょっと押し、グリップに隙間を作るは、うまく行く時がありますが、ちょっとでも腕に力が入ると、過ぎたるは及ばざる如しで、失敗します。

押手は押すなが一番よい成績となりました。
クリッカーが切れない時は、クリッカーをほんの少し(0.5mmぐらい)前に出せば楽に切れるし、こちらの方が矢のブレがありません。

クリッカーが切れないのは、はじめの「弓に力を掛けない状態で、取掛けとグリップ」の出来の悪さに理由があるようです。

切れないときは、引き戻してはじめからやり直すが肝要です。

アーチェリーは、楽に、無理をせず、力は最小限で撃つ が極意ですかね。 




2014年6月10日火曜日

押手、初心に戻る

第294回 練習

押手がリリース後に落ちて、矢が下に行ってしまうため色々試しているうちに、悪い癖がついて押手の肩が上がり、引き尺が短くなっていました。

その悪い癖とは、
1) 押手の肩を入れる ---> 肩が矢に近づく---> 肩が上がる -->引き尺が短くなる
2) 押手を突っ張る--->肩が上がる-->引き尺が短くなる
3) 押手を押しクリッカーを落とす--->弓がぶれる ---->矢の方向が安定しない

今日は、押手の肩が自然な位置になるように、意識して次のことを試してみました。

1) 弓を床につけた状態で、取かけを決める
2) 弓を床につけた状態で、グリップのピボットを軽く押し、軽いプレロードを掛ける
3) そのまま、弓を引き起こし、ピボットのみで弓を支える
4) 矢先を的に合わせ、弦サイトを合わせる
5) サイトを的に合わせながら、アンカーまで引き込む(一切、肩は動かさない
6) 押手は、引く力を支えるだけ(押すなと意識する)(ここでクリッカーが落ちた

クリッカーを1cmほど下げてから

7) 引手の肘を矢筋に入れる
8) 引手と共に顔を後ろに引く(注)(クリッカーが落ちる)

3)のところで、押手にためを作り押す意識を全く消すことも試してみました。
これは、さらに肩を落とす効果があります。
韓国の女子選手の映像を見ると、ためを作っている選手が多いようです。

素直に押手を引き上げるだけで、肩は自然な位置に落ち着ているようなので、押手にためを作る必要はないようです。

9) クリッカーが落ちたのち、おもむろにリリースする(引手を引き抜く意識)

この内容は、アーチェリーを始めたとき、指導されてたことと同じような気がします。まさに、初心に戻るです。


(注)
引手をアンカー位置から引く(肩を外旋させる)と、弦が鼻、あごに食い込み、最悪、引手が弦と共にあごの下に入り込み、指示指が矢に強く当たり、矢とびが変化します。

それを回避するため、顔を後ろに軽く引けば、不要な力を矢にかけずに簡単にクリッカーを落とすことができます。

第295回 練習
前回の改造フォームを確認するため、動画にしてみました。
まだ、押手の肩が少し高いようです。

顔を動かさずにクリッカーは落ちていますが、肩から上が全体に硬い。 首が肩の中に入っていて苦しそうです。(実際は苦しくはありませんが)








2014年6月8日日曜日

日野市民大会

今日は、日野市民大会の予定でしたが、雨模様のため22日に順延となりました。

5/31〜6/2まで、清里で合宿を行い調子を整えてきましたが、生憎の雨となりました。

日野の大会は、微雨決行とされていましたが、今日の雨は微雨ではなかったようです。

試合を前に、都民大会の反省からタブを新調して双子タブの体勢としました。
古いタブもコードバンを交換して気分一新で臨みましたが、順延とは残念です。(雨の中で撃ちたいわけではありませんが・・・)

双子タブ
左側が新しいタブで、右側が古いタブのコードバンを新調したもの。
このタブの交換で、30mのサイトが4mmほど上がりました。タブを代えたことでフォームも変わってしまったようです。(どこが、と言われましても分かりませんが・・・)