2016年5月20日金曜日

エアー素引で引手を学ぶ

学ぶシリーズ 007

背中の使い方について考えてみます。

エアー素引とは弓を持たずに素引の真似をすることです。
このエアー素引きで二の腕から肩、背中の感覚を実感してみます。

A. 弓を持たずにやってみてください
  • 押手を両肩のラインと同じ方向に伸ばし
  • 視線を押手の指先
  • 引手の肘を曲げ
  • 引手の親指の爪を顎先に付け
  • 弓を引くように胸を開き
  • 引手の肘が両肩のラインと同じライン上になるように後ろに回す
うまく出来ましたか? 
矢筋(押手の手、引手の手と引手の肘が直線上にあること)は通っていますか?

「胸がうまく開けない」「引手の肘が後ろに回わらない」などがありませんか?

上の動きは、
  • 引手側は肩甲骨が背中側に寄る動き(内転)
  • 押手側は肩甲骨が背中から離れる動き(外転)
です。

押す方は簡単にできますが、引く方の肩甲骨の動きができない場合が多いようです。

実は、押手・引手の肩甲骨の動きは、今はやりの肩甲骨体操の動きで、押手と引手で逆な動きを同時に行います。

まず、

B.肩甲骨体操(出典: note.chiebukuro.yahoo.co.jp

  1. 両足を、肩幅より少し広めに開き、つま先を軽く外側に向ける。両腕を肩の高さまでまっすぐに上げ、両手の人差し指をくっつける。(肩甲骨をひらく)
  2. 左右の肩甲骨を中央によせるイメージで、ゆっくりと腕を後ろに引く。手首、ひじ、肩が平行になるよう意識しながら、自然な呼吸で行う。(肩甲骨を寄せる)
  3. 肩甲骨をさらに中央によせていき、ゆっくりと両手を最初の位置に戻す。
※1~3を10回繰り返す。


C.アーチェリー用の肩甲骨体操
鏡を前にして行うと確認しやすいと思います。


  1. ストレートスタンスで真っ直ぐ立つ。両腕の肘が目の高さ(腕が水平から約45度)になるように腕を持ち上げ、掌を合わせて腕を前に出す。(肩甲骨をひらく)
  2. 肘の高さを維持したまま、両方の親指の爪を顎の先に付ける(肘と顎先で浅いV字を作る)(肩甲骨を寄せる)
  3. 親指の爪を顎の先に付けたまま、両肘をできるだけ後ろに引く(肩甲骨を寄せる)
3の肘の高さ(目の高さ)と、背中の張の感覚を覚えてください。
1が肩甲骨の外転で、2,3が内転です。 肘の高さを維持することが重要です。

3で、肘が肩のライン上にくるよになったら、D.エアー素引に移ります。


D.エアー素引


左側:はじめ①の肘の高さ
右側:終わり⑤の肘の高さ


これも引手の肘の高さを維持することが重要です。
  1. ストレートスタンスで真っ直ぐ立つ。両腕の肘が目の高さ(腕が水平から約45度)になるように腕を持ち上げ、掌を合わせて腕を前に出す。(肩甲骨をひらく)(Cの1と同じ)、視線を押手の指先に固定する。
  2. 肘の高さを維持したまま、お腹の所で身体をひねり(足・腰は前を向いたまま)、押手・引手を同時に横に向ける。
  3. 身体のひねりをもとに戻しながら押手の手を真横に肩で押し出す。その時、引手は3本の指先で押手の腕に触れながら体の方向にずれる。(肘の高さは変えない)
  4. 押手の動きがとまった後で、引手を押手の腕から肩・首に触れながら顎の先まで動かす。肘の高さは変えない)
  5. 顎の先で、引手の指示指をフック状に曲げて顎先をつかみ、引手の肘を引く運動から、肩を支点した回転運動に変え、背中の方に肘を回し、矢筋を完成させる。
5で次のようになっていれば成功です。
  • 引手の肘の高さが耳の下ぐらの高さ(肩より低いのはだめ)
  • 視線は押手の指先
  • 引手の指示指が顎先に付いている
  • 押手の親指と指示指の付け根から、顎先引手の肘が一直線になっている(矢筋
  • 引手の背中にツッパリ感がある
E. タオル素引き
Dができるようになったら、タオルを次のように持ち同じことをやってみます。
  • 押手:親指と指示指の付け根のVの部分でタオルの端をつかむ
  • 引手:指示指と中指の間でタオルを挟む
D1~3では、引手のタオルは指の間を滑らせます。 4.で押手・引手ともしっかり握り、5で力を入れて引っ張ります。

5の終わりで、指示指と中指の力を緩めると、タオルが飛び出し、引手は反動で後ろに下がりフォロースルーができます。

さらに、5の段階で懸垂をする背中の筋力で両肩を下に引いてみてください。(肩を下に下げるような意識する)

これがうまくいくと、肩が下がりタオルを引く力がさらに強くなります。
詳しくは、バックテンションを体感してみる に述べています。

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