背中の使い方について考えてみます。
エアー素引とは弓を持たずに素引の真似をすることです。
このエアー素引きで二の腕から肩、背中の感覚を実感してみます。
A. 弓を持たずにやってみてください
- 押手を両肩のラインと同じ方向に伸ばし
- 視線を押手の指先
- 引手の肘を曲げ
- 引手の親指の爪を顎先に付け
- 弓を引くように胸を開き
- 引手の肘が両肩のラインと同じライン上になるように後ろに回す
矢筋(押手の手、引手の手と引手の肘が直線上にあること)は通っていますか?
「胸がうまく開けない」「引手の肘が後ろに回わらない」などがありませんか?
上の動きは、
- 引手側は肩甲骨が背中側に寄る動き(内転)
- 押手側は肩甲骨が背中から離れる動き(外転)
です。
押す方は簡単にできますが、引く方の肩甲骨の動きができない場合が多いようです。
実は、押手・引手の肩甲骨の動きは、今はやりの肩甲骨体操の動きで、押手と引手で逆な動きを同時に行います。
- 両足を、肩幅より少し広めに開き、つま先を軽く外側に向ける。両腕を肩の高さまでまっすぐに上げ、両手の人差し指をくっつける。(肩甲骨をひらく)
- 左右の肩甲骨を中央によせるイメージで、ゆっくりと腕を後ろに引く。手首、ひじ、肩が平行になるよう意識しながら、自然な呼吸で行う。(肩甲骨を寄せる)
- 肩甲骨をさらに中央によせていき、ゆっくりと両手を最初の位置に戻す。
- ストレートスタンスで真っ直ぐ立つ。両腕の肘が目の高さ(腕が水平から約45度)になるように腕を持ち上げ、掌を合わせて腕を前に出す。(肩甲骨をひらく)
- 肘の高さを維持したまま、両方の親指の爪を顎の先に付ける(肘と顎先で浅いV字を作る)(肩甲骨を寄せる)
- 親指の爪を顎の先に付けたまま、両肘をできるだけ後ろに引く(肩甲骨を寄せる)
3の肘の高さ(目の高さ)と、背中の張の感覚を覚えてください。
1が肩甲骨の外転で、2,3が内転です。 肘の高さを維持することが重要です。
1が肩甲骨の外転で、2,3が内転です。 肘の高さを維持することが重要です。
D.エアー素引
左側:はじめ①の肘の高さ
右側:終わり⑤の肘の高さ
- ストレートスタンスで真っ直ぐ立つ。両腕の肘が目の高さ(腕が水平から約45度)になるように腕を持ち上げ、掌を合わせて腕を前に出す。(肩甲骨をひらく)(Cの1と同じ)、視線を押手の指先に固定する。
- 肘の高さを維持したまま、お腹の所で身体をひねり(足・腰は前を向いたまま)、押手・引手を同時に横に向ける。
- 身体のひねりをもとに戻しながら押手の手を真横に肩で押し出す。その時、引手は3本の指先で押手の腕に触れながら体の方向にずれる。(肘の高さは変えない)
- 押手の動きがとまった後で、引手を押手の腕から肩・首に触れながら顎の先まで動かす。(肘の高さは変えない)
- 顎の先で、引手の指示指をフック状に曲げて顎先をつかみ、引手の肘を引く運動から、肩を支点した回転運動に変え、背中の方に肘を回し、矢筋を完成させる。
5で次のようになっていれば成功です。
- 引手の肘の高さが耳の下ぐらの高さ(肩より低いのはだめ)
- 視線は押手の指先
- 引手の指示指が顎先に付いている
- 押手の親指と指示指の付け根から、顎先、引手の肘が一直線になっている(矢筋)
- 引手の背中にツッパリ感がある
E. タオル素引き
Dができるようになったら、タオルを次のように持ち同じことをやってみます。
- 押手:親指と指示指の付け根のVの部分でタオルの端をつかむ
- 引手:指示指と中指の間でタオルを挟む
D1~3では、引手のタオルは指の間を滑らせます。 4.で押手・引手ともしっかり握り、5で力を入れて引っ張ります。
5の終わりで、指示指と中指の力を緩めると、タオルが飛び出し、引手は反動で後ろに下がりフォロースルーができます。
さらに、5の段階で懸垂をする背中の筋力で両肩を下に引いてみてください。(肩を下に下げるような意識する)
これがうまくいくと、肩が下がりタオルを引く力がさらに強くなります。
詳しくは、バックテンションを体感してみる に述べています。
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