2016年11月24日木曜日

スコアーカードを作ってみる

しばらく、投稿をさぼっていました。
Web Appのスコアーカードを作っていたので、新規投稿をお休みしていました。

まだ、完成していませんが、一応使えるようになったのでWebにUpします。

URLは、https://yoshiproject-33b37.firebaseapp.com/ScoreCard/ScoreCard.htmlです。 

googleのfirebaseでHPの無料公開ができるので、テストもかねて公開しました。

Andodoid(4.0以上?)のスマホ、タブレット、Windows PCで使えますが、ブラウザーはChrome でテストしています。

iPhoneは、物がないので試していません。(javascriptで動いていますので、動くかもしれません)

また、スマホの場合、画面をダブルクリックすると、画面サイズに合わせて縮小すると思います。(私のスマホの場合はできますが?)

入口の画面は、こんな感じです。



右下の「Hide」ボタンを押し、
上の「new」ボタンを押すと新規にデータを入れることができます。


入力したデータは、Local Storage(PC、スマホのStorageに保存されます。)
上の「lock」を押すとStorageに保存したデータの上書きを禁止します。

「auto]を押すと自動保存されます。

三を押すと、メニューが表示されます。(lock状態では使えないボタンがあります)
メニューは2階層になっています。
 Score Cardの階層のボタンでカードを切り替えることができます。
   Scoreボタン-----Scoreを入力する画面
   Settingボタン----弓のsettingデータの入力画面
   Modelボタン----使用モデルの表示(現在変更はできません。私のモデル専用)
   Recodelボタン----記録したScoreの一覧を表示します。(一部、エラーあり:修正しました

StorageをLockした状態では、swipe機能(画面を指でなでて、画面を変える)を使うことができます。

 Edit Cardの階層には、CardのCopy、作成、削除等ができます。
 Storageでは、バックアップ、リカバーリー等ができます。
(スマホでのリカバーリーが現在(12/2)できなくなりました。12/4 直しました。

まだ、進化中で、いろいろ試しています。

注意) 入力したデータは、Localに保存されますので、使用機器を変更すると、保存データを参照することはできません。(保存先はAndroidが勝手に決めるので、直接Copyできません)

バックアップでデータを(downloadに)保存して別の機器にCopyしRecoverしてください。(サーバーへのバックアップ機能は将来作成?)


2016年9月22日木曜日

5点と4点の境界、的中孔チェック

的紙上の5点と4点の境界と的中孔チェックついて調べてみました。

まず、5点と4点の境界について

アーチェリーの得点は、得点の境界線に矢が掛かっていれば、上側の得点としてカウントされます。

40cm、80cm、122cm的の5点(青)と4点(黒)、3点(黒)と2点(白)の間の境界は、得点の黒色と混ざりあって線があるかよくわかりません。


Netで調べた結果、黒の色と他の色の間の境界に線はないようです。(4点(黒)、3点(黒)の間には白い境界線があります)

5点(青)と4点(黒)の境界線のように見える黒い線は、印刷の都合(青と黒の重なり)で現れる色むらとのことです。

5点(青)と4点(黒)の間の境界は黒色の線ではなく、色その物が得点の境界となっています。
5点(青)と4点(黒)の間に刺さった矢は、青色に矢が掛かっていない限り、4点(黒)となります。

つぎに、的中孔チェックについて
矢が貫通したり、跳ね返った場合に備えて、試合では的中孔チェックをします。(刺さった矢の穴に、矢を抜く前に印をつけます。)

試合が終わった後の的を見ると、矢の刺さった穴に✔が書かれています。この✔が的中孔チェックですが、この書き方にもルールがあるようです。

まず、
なぜ、的中孔チェックが必要になるかです。

矢の穴に印がないと、跳ねた矢の痕跡と前に刺さった矢の痕跡の区別がつかないため、跳ねた矢の得点をつけることができません。

的に刺さった矢の穴に、矢を抜く前に印をつけておけば、万が一、矢が跳ね返った時や、貫通したときに、印のない矢の穴得点とすることができます。

いつチェックを入れるか   ------- 得点の記録が終わり、矢を抜く前
どの矢にチェック入れるか -------- 的面(M以外の得点がある面)にある矢
だれが付けるか       --------- 競技者自身(審判ではありません)

つけ方は  ------- ここが間違っていたみたいです。 
的中孔チェックですが、✔ではありません。

審判のガイドラインに次のような記述があります。
Teach the archers to mark holes with short lines,not longer than 5millimeters.
Two lines in a right angle are certainly enough. 




競技者に、5mmを超えない線で穴に印を付けるように指導する。
直角な二つの線で十分である。

ということで、✔ではなく左図の感じです。

✔は角度が直角でなく、推奨されませんし、穴についていない✔は無意味です。

2本の長すぎない線で、明確に穴に印をつけます。

穴の中心から四方に+の形に付けることもあるようですが、直角な2本の線で充分で、時間の無駄になります。

万が一、矢が跳ね返ったり、貫通したときは、その場で審判にアピールして得点の処理をします。

他の競技者が矢を射てしまい、その矢が跳ね返ったり、貫通すると、無印の矢の跡が複数になり誰の得点か判別できなくなりますので、発生したその場で処理しなければなりません。

貫通については、気が付かない時があるので、点数の記録時となるときもありますが、必ず審判にアピールします。

無印の矢の痕跡が複数ある場合は、最小の得点が跳ね矢や貫通矢の得点となります。また、この痕跡へのマーキングは、審判が行います。

2016年9月9日金曜日

自己新で顔向けを学ぶ

学ぶシリーズ 020

600点への長い道のり

30m 336点 2014/8/13  Ave. 9.3

が、自己最高記録と記しました。 昨日(9/8) 2年ぶりに自己最高記録を更新しました。

30m 338点 2016/9/8  Ave. 9.4

得点分布は、

338点の得点分布
わずか2点ですが、更新は更新です。
青い棒グラフが実際の得点分布、茶色の折れ線が確率から導きかれる得点分布です。

10点と9点が僅かに違って表示されていますが、確率から導きかれた得点分布と実射の得点分布は一致しています。

X:    5本
10点: 12本
9点:  16本
8点:   3本

8点を1,2本に出来れば340点超えになりそうです。

この結果は、射形を色々いじっていたのでその成果が出たのかもしれません。その中で、一番効果的だった修正点は顔向けの安定だと思っています。

顔向けとは、的に対して顔を向けることですが、顔を的に向ける角度、前後・左右の傾きが一定でないと、矢は狙ったところに飛んでいきません。


私が顔向けを一定にするため行っていることは、

1: セットアップの時、的に顔を向け、視線を的に固定し、その中央に弓の上リムを入れ、弓の位置を決める

2: 引き起こしの時も、視線は的に固定のまま維持する

3: ドローイング開始前に、弦サイトを確認する(いつも同じとこにくるように)

4: フルドロー、アンカリングまで視線は的に固定、アンカリング時に弦サイトを確認する

このとき、弦サイトを視線を動かして合わせてはいけない、動いているのは、引き方(アンカー位置)が悪いか、顔向けが動いたためであり、1からやり直す(引き戻す)

弦サイトは、合わせるのではなく、確認するもの」であるようです。



顔向けは、両目を水平にして、その水平ラインと的に向かう矢のなす角度をいつも一定にするのが基本です。

体の軸がぶれたり、首を傾けたり、あごを引き(出し)すぎたり、すると両目のラインと矢のなく角度が変化してしまいます。

顔向けの少しのずれは、瞳が無意識に動いて、的を横から見たり、上・下から見たりして調整するため、サイト・弦サイトがあっているのに、矢が外れることがあります。(他の理由でも当然外れます)

顔向けの少しのずれによる、アンカーポイトと瞳の距離のずれは僅かですが、矢の刺さる位置は、距離30mで0.5~1点分ぐらいずれると思います。(あくまでも私の経験則ですが)

射はイメージ通りにうまくいっているのに、矢が少しずれる人は、顔向けがずれている可能性があります。

少しの顔向けのずれを発見するのは難しいですが、瞳が目の端の方に動くため、正しい顔向けに比べ視界がせまく感じることがあるようです。

弦サイト・サイト・的が見にくい場合も、顔向けがずれている可能性があると思います。

2016年8月29日月曜日

短距離で基本チューニングを学ぶ

学ぶシリーズ 019

ティラーハイトでセッティングを学ぶで、実射する前の弓のセッティングについて書きました。

セッティングは実射前に弓を調整することですが、その推奨設定値には範囲があり、採用した設定値が矢・弓・フォームに合っていいるかは、実射してみないとなんともいえません。

フォームが固まりある程度グルーピングできるようになるまでは、セッティングの設定値を実射して調整(チューニング)することも難しいと思います。

例えば、ベアーシャフトチューニングは、36射で330点程度の点数がでる技量がないと意味あるものにならないようです。(だいたい黄色に入る技量で赤が数本と言ったところ、チューニング中赤は無視する)

また、ベアーシャフトチューニングは矢の振動が安定する距離(15~18m程度)以上の距離で行う必要があり、初心者にはハードルが高いものになります。

今回は、短距離 5-10mでできる基本チューニングを紹介します。
基本チューニングの項目は、

  • ブレースハイトの設定の確認
  • 矢と弓の干渉の有無の確認
  • ノッキングポイントの調整
  • センターショットの調整
実射まえに次のセッティングを確認してください。

- ブレースハイト---メーカ推奨値幅の上の方の値
ブレースハイトは高い方が、
  • 矢の飛びが安定
  • 矢と弓が接触する可能性が低く
  • 押手に当たる可能性も低く
  • 発射音が静か
になる。

- ティラーハイト 0または数mm(ティラーハイトでセッティングを学ぶ(その2)参照)
- ノッキングポイントを動かすことができる
- センターショット(Arrow Centering)の矢の振り出し量

確認ができたら、

実射(5m程度の距離で、矢を水平に撃ちます)

  • 的に目の高さとアンカー(あご)の高さの印をつけます。
  • 目の高さの印を狙ったとき、矢が水平になっていることを、他の人に確認して貰います
  • サイトの高さを矢が水平になるまで調整します
  • アンカー(あご)の高さの印の付近に矢が刺さることを確認します
アンカーの高さの印付近に矢が刺さるまでサイトを調整します。
継ぎ矢をしないように、狙いを左右にずらしながら、数射します。


数射した結果を確認します。
  • ブレースハイト----発射時に異音がするようであればブレースハイトを高くして、音が静かになるところを探す。(異音がなければ設定は変えない)
  • 矢と弓の干渉の有無----矢、弓に干渉のすり傷がないか確認する。特に羽が破れていないか確認する。(干渉がある場合は、対策が必要ですが、今回は省略
異音も矢と弓の干渉もなければ、再度実射してノッキングポイントとセンターショットを調整します。

- ノッキングポイント
まず、ノッキングポイントを合わせます。

A: 矢が下向き--ノッキングポイントが高すぎる、低くして再度実射

B: 矢が水平 --たぶん適正なノッキングポイント高さ

C: 矢が上向き--ノッキングポイントが低すぎる、高くして再度実射


B.になるまで調整します。
矢が上下に傾いて斜めに刺さるのは、ティラーハイトでセッティングを学ぶ(その2)に書いたように上リムが矢を跳ね上げる量とノッキングポイントの高さがあっていないためです。

ノッキングポイントを合わた後、センターショットの調整をします。(調整は1度に一つにします。)

- センターショット(右うちの場合)
A: 矢が左から右に刺さる ---プランジャーが引っ込みすぎ、プランジャーを出し矢先を左に出す
B: 矢が真っ直ぐ刺さる  ---たぶん適正な矢の振り出し量
C: 矢が右から左に刺さる ---プランジャーが出すぎ、プランジャーを引っ込め矢先を戻す

矢が左右に傾いて刺さるのは、矢の振動の節が的に向かって真っすぐになっていないためで、この振動の節を的に向かって垂直に修正するためプランジャーの振り出し量を調整します。(パラドックスを参照)

5mの距離で、矢を水平に撃ちだし上下左右がBになったなら、8m、10mでも同様のことを行います。

すべての距離で、両方ともBの状態になったとき、基本チューニングを終わります。
矢の動的スパインが合っていないと、3つの距離全てをBにすることが出来ないこともあります。

チューニング中に明らかな撃ちミスがあった場合、その結果は無視します。(正しいフォームでなければ、チューニングはできません。)

18mの距離で、ある程度グルーピングできる技量になったら、Simple Button Adjustmentを行いプランジャーのばね圧を調整します。(参考資料を以下に示します)





2016年8月26日金曜日

美しく立つでスタンスを学ぶ

学ぶシリーズ 018

赤ちゃんは、生まれて1年~1年半で自分で立ち上がり、歩くことができるようになるようです。

歩けるようになるまでに、足腰の筋力とバランス感覚を身に着け、それ以降は、意識することもなく立ち上がり、歩くことができるようになります。

人が立つとはどのような現象でしょうか?

人が立って倒れないためには、体の重心(お臍の下ぐらいのところ)の鉛直線が、両足の間になければなりません。

片足で立つ場合は、片足の接地してる部分の中に重心がくるように体を曲げる必要があります。

体に外力が働き、重心が両足の間から外にでると、立っていることができずに倒れてしまいます。

人が立つと言う動作は、体の重心を常に両足の間に保つ動作にほかなりません。

美しく立つには、筋肉、骨、関節といった体のあらゆる部分をきちんと連動させ正しく使う必要があり、理想の重心の位置は、足の人差し指のつけ根とかかとを結んだ足の裏の中心線上で、内くるぶし前方の土踏まずのあたり(図の◎)だそうです。(健康の基本は「美しく立つ」ことから

アーチェリーのスタンでも、この理想の重心の位置に体軸をもって来ることにより、軸のぶれない美しいフォームをつ作るこことができると思います。

体軸を考えるで書いたように、アーチェリーは的の方向に重い弓を押し出し持ち上げているため、体の重心(弓の重さを含む重心)位置が足の中央部に来るとはありませんが、自分の理想の重心の位置を知っておくことは重要だと思います。

体の重心の位置を知る方法を応用してスタンスを決め方を考えてみます。

スタンスを決める

  1. いつものスタンスでリラックスして立つ
  2. 体を前後に大きく揺らし徐々に小さくしながら足裏に均等に荷重がかかる位置を探す
  3. 左右に大きく体を揺らし、左右均等に荷重のかかる真ん中の位置を探す
2.3の時、体が特に不安定になると感じる方向を見つけます。(試すときは、体を真っ直ぐにした状態で行ってください。)

この不安定になる方向を無くすためにスタンスの幅を変えたり、足の開く角度を変え自分に合ったスタンスを探します。

A. 普通に立った時のスタンス
足のゆび側をやや開き、足幅は肩幅ぐらい。
この状態で、2.3を試し、不安定な方向がなければ、これを採用します

B. 足の間隔を極端に狭くしたスタンス
この状態で、2.3を試すと、すべての方向が不安定なはずです。

C. 指側の間隔を広くしたスタンス
この状態で、2.3を試すと、前方向が不安定なはずです。


D. 踵側の間隔を広くしたスタンス
この状態で、2.3を試すと、後方向が不安定なはずです。


E. 足の間隔を極端に広くしたスタンス
この状態で、2.3を試すと、左右方向は安定しますが、前後方向が不安定になるはずです。
左右方向(的の方向)が不安定な人は、スタンスの幅を広げると安定するかもしれません。

F. 試すスタンス
足幅は肩幅ぐらいで、足の人差し指のつけ根とかかとを結んだ足の裏の中心線を平行にする。
B.C.D.Eは極端な例ですが、この例を参考に足幅、足の開を調整し2.3を繰り返し、一番安定する足幅と角度を探し、安定するスタンスとします。

私の場合、最適なスタンスは、
  • 足の裏の中心線は平行
  • 足幅は肩幅よりやや狭い(注)
です。

注)足の幅は、土踏まずを通る足の裏の中心線の間隔、肩幅は、上腕の外側

スタンスを考えるに3種のスタンスを例示しましたが、安定するスタンスの形状を用いることで、どのスタンスも安定すると思います。
  • ストレートスタンスは、安定するスタンスで両肩のラインが的に刺さるように立ちます
  • オープンスタンスは、安定するスタンスで両肩のラインが的に斜めになるように立ちます
  • オブリークスタンスは、ストレートスタンスの的側の足を踵を中心にやや的側に向けます

2016年8月11日木曜日

ティラーハイトでセティングを学ぶ(その2)

学ぶシリーズ 017

ティラーハイトでセティングを学ぶ(その1) の続編です。(修正:2017/2/27)

まず、ティラーハイトとは何かを再確認します。
(ティラーとティラーハイトは意味が違います、ティラーについては、【更新】ティラーって何でしょうかに詳しく説明されています。)


ブレースハイトは、グリップのピボットポイント(一番へこんでいるところ)から弦までの最短距離(弦に直角な長さ)ですが、ティラーハイトは、

上リムがハンドルに入っているところから、弦までの最短距離(弦に直角な長さ) a と、 

下リムがハンドルに入っているところから、弦までの最短距離(弦に直角な長さ) b の差

a-b で表されるのことで、a,b個々の値(ブレースハイトと共に変わる)にはあまり意味がありません。


このa-bの差は何を意味しているのでしょか、

答えは、上リムと下リムの強さの差距離の差として代替え的に表しています。

弓の強さを測るポンド計は、上下のリムの合計の力を測ることはできますが、個別のリムの力を測ることはできません。

弓を引いた時の上下のリムに発生する力を簡単に測ることができれば、その数値の方が弓の挙動を表すには適していますが、それが難しいので簡単に測れる距離の差強さの差として用いています。

a-bの計算結果から分かることは、
a-bがプラスの時(positive tiller): 下リムより上リムの方がしなり撓り)方が大きい
a-bが0の時(zero tiller):      下リムと上リムのしなり方が同じ
a-bがプラスの時(negative tiller): 下リムより上リムのしなり方が小さい

上リムと下リムは弦でつながれ、弓を引いていない状態では、リムにかかる力は同じで、しなり方が小さい方が強いリムを、しなりが大きい方が弱いリムを意味しています。

よって、
a-bがプラスの時(positive tiller):下リムが強く、上リムが弱い
a-bが0の時(zero tiller):     上下のリムは同じ強さ
a-bがプラスの時(negative tiller):下リムが弱く、上リムが強い 

これだけ見ると、a-b=0のzero tiller(上下のリムは同じ強さ)がよさそうですが、話は簡単ではありません。

弓を引くときノッキングポイントの上下に指を置いて引きますが、このノッキングポイトが、弦の中心より少し上にあるため、アンカーに入った時、リムのしなり方が違ってきます。

左の図(右ききのアーチャーですが、説明の都合で図は左右が反転した物を使っています)で、

弦の中心を引いた時を青い線で、
ノッキングポイトを引いた時を赤い線

表しています。

青い弦の位置と赤い弦の位置はわずかにずれていいます。

ずれは角度にして1°ぐらで図を見ても違いはわかりません。
左図は、上の図の弦だてけを取り出したものです(ノッキンクポイントは、見やすくするため極端に上にしてあります)

私の弓(70”)と引き尺(29 1/2”)で上リム先端(C)と下リムの先端(A)が垂直な壁(緑の点線)に固定されたいる場合の弦の角度と力のバランスを計算してみます。

まず、弦の中心を引いた場合(青い点線
Bを15.3kg(34ポンド)で引くと
A-B-LineDの角度とC-B-LineDの角度は同じ 22.1°
AB方向にリムを引く力とCB方向にリムを引く力は、ともに20.36kg
また、Bのライン(矢の方向へ)の力は、上下とも7.65kgで

2つのリム先端にかかる力の方向と強さ、及び矢に作用する力は完全に一致します。




ノッキングポイントを引いた場合(赤い線
B’を15.3kg(34ポンド)で引くと
A-B’-LineDの角度 20.9°
C-B’-LineDの角度 23.4°

AB’方向にリムを引く力 20.12kg
CB’方向にリムを引く力 20.48kg

また、B’のライン(矢の方向へ)の力は、上が8.06kg、下が7.24kgとなり上が強くなり、上リムの方が強く引かれます。


上の計算条件は、リムを壁(力によって位置が変わらない)として計算していますが、
ティラーハイトの設定を zero tillerで考えると、下リムより上リムが少し(8.06-7.27=0.79kg分)大きくしなり、Cの位置がAの位置より体側の近づき、弓が前後に少し傾いた状態でつり合うことになります。

また、上下のリムの矢に作用する力を同じにする(弓が傾かない)条件で、リムにかかる力を計算すると、



ノッキングポイントを引いた場合(赤い線
B’を15.3kg(34ポンド)で引くと
A-B’-LineDの角度 20.9°
C-B’-LineDの角度 23.4°

AB’方向にリムを引く力 21.46kg(下リム)
CB’方向にリムを引く力 19.27kg(上リム)

また、B’のライン(矢の方向へ)の力は、上下とも7.65kgで弓を前後方向に傾ける力は発生しません。

この計算結果からは、上リムを下リムより弱い力で大きくしなるように設定すれば、前後の傾きを防ぐことができます。 

これが、「a-bがプラスの時(positive tiller):下リムが強く、上リムが弱い」に設定する理由の一つとなります。

実際のつり合いは、スタビライザーの重りの効果、弦を引く3本の指の負荷配分・位置、押手のグリップを押す位置等が影響し、簡単に計算通りとはなりません。

positive tillerは、アンカーに入った時の弓のバランス(つり合い)に着目し、下リムのハンドルへの取り付け角度を上リムより垂直に近い状態に設定します。

アンカーに入った時は静的バランスが取れても、矢が発射されるときのバランスが良いとはいえないので、zero tillerを最近は採用するようになったようです。

ティラーハイトのチューニングには、
  • a-bを0 (zero tiller)で、ティラーハイトの実射による調整はしない方法
  • アンカー位置からさらに引いた時にサイトが上下に動かないようにa-bを調整する方法(Static tiller adjustment)
  • 矢が発射された瞬間に弓が前後に傾かないように調整する方法(Dynamic tiller adjustment)
  • 矢の発射が自分のフィーリングに合うようにa-bを調整する方法(Adjusting for ‘feel’)
などがあります。 
私は、a-bがプラス(positive tiller)=3mm とメーカー推奨の0-6mmの中央値を採用しています、強いて言えば、Adjusting for ‘feel’です。

次に「Nocking Pointがレストより上にあり矢が下を向くこと」の理由を考えてみます。

a-bがプラス(positive tiller)でも、普通の設定では上リムの方が、下リムより強い力で矢を押し出すため、発射の瞬間に矢先を跳ね上げます。(下の弦の方が長く、下の弦が早い速度が戻るため、跳ね上げ)

この効果でレストから矢は浮き上がり、矢がレストをこすっていくことがなくなります。

ノッキングポイントをレストより少し高くし、この跳ね上げによって矢が水平に出ていくように調整しています。

ノッキングポイントの適正高さはテイラーハイトと次にような関係があります。
  • a-bを大きくすると(下リムの強さを増すと)  適正ノッキングポイントの高さは高くなる (下の弦の戻る速度が速くなる)
  • a-bを小さくすると(上リムの強さを増すと)  適正ノッキングポイントの高さは低くなる(下の弦の戻る速度が遅くなる)
これは、矢先の跳ね上げ力は上下リムの力関係(弦の戻る速さの差)によるためです。

なお、ティラーハイトを先に合わせてから、ノッキングポイントのチューニングをします。
ノッキングポイントのチューニングの代わりにティラーハイトを変更してはいけません。

2016年7月29日金曜日

ティラーハイトでセティングを学ぶ(その1)

学ぶシリーズ 016

自分の弓を買って最初に行わなければならないのは、行射できるように弓を設定(Basic Setting)することです。

まったく初めての場合は、ショップにお願いするか、射場の指導員等にお願いしてください。

まず、Tuning(実際に矢を射て調整すること)の前にする設定(Basic Setting)の例を見たいと思います。(一部ショップのサイトにリンクしています)


この中で、直感的に理解できないのが、Nocking Pointがレストより上にあり矢が下を向くことと、Tiller Heightの上下差だと思います。
これについては、次回のその2で考えてみます。(Basic Settingが長くなりすぎて時間切れです)

0. 必要なものを調べる
・ハンドル (リムボルトの高さが上下同じか調べます)
・リム(上下でマークが違います、取り付けを間違わないように)
・レスト(両面テープも必要)
・プランジャー(ねじが沢山ついています、役目と使い方を覚えます)
・弦(上下があります)
・矢
・Tゲージ(T型の定規)
・ストリンガー(弦を張るひも)
・調整工具(主に六角レンチ)
・サーピングの糸(ノッキングポイト用)

1. 弓のセンターをチェックする(調整する)
弓を組み立て、弦を張った状態で弦が弓(リムとハンドル)の中心を通ているか調べます。
詳しくはこちらに載っています。また、センター調整ネジの使い方は取説等に記載されています。

弦が弓のセンターになくても設定は可能ですが、調整の再現性を確保するためには、弓のセンターと弦を一致させておいた方がよいと思います。

弦を見る方向が狂うと、センターも狂って見えます。再現性のあるセンターを出したい場合は、レーザー等を使用すると良いかもしれません。

2. ノッキングの強さを確認する
2.1 弓を下向きにして、弦のセンターサービングに矢を番えます
2.2 下を向けた状態で矢が落ちないことを確認します
2.3 指で弦を強く弾いたとき、矢が落ちることを確認します

弦を購入するとき、使用するノックに合っている太さの弦を購入すれば、2.2と2.3はクリアーできます。

自然に落ちたり、弾いても矢が落ちない場合は、矢のノックを代えるか、サービングの太さをかえます。

3. レストをつける
プランジャーと干渉しないように、水平に取り付けます


4. プランジャーをつける(SHIBUYA DXプランジャーの場合)
4.1 ばねは中間の強さを使います
   また、テンション調整ネジで強さを中央に調整します
4.2 センタースライダーで矢のポイントを弓のセンタに一致させます
   (Full Center)
4.3 レストを調整し矢の中央にプランジャーピンが来るようにします

4.4 アルミ矢の場合は、センタースライダーで1/4回転分矢を左に出し、カーボンの場合は、Full Centerのままとします

レストから矢が自然に落ちないように、レストピンには傾斜がついています。 上から見たとき矢より外側にピンが見えないように調整します。
   


ノッキングポイントの測り方は、ノッキングポイントを考える参照。
4. ノッキングポイントを作る
4.1 高さを決めます(5mm FITA Manual
4.2 下側のノッキングポイントを作ります
4.3 上側のノッキングポイントを作ります
4.4 幅は矢のノックが入り、ガタがなく、固くもない幅とします
4.5 ノッキングポイントに矢を番え、2を再度確認します

ノッキングポイントに金属製のものを使うのは避けた方がよいと思います、弦の中央が重くなるため矢速が落ちる場合があります。

弦のセンターサービングの糸と同じ太さのサービング糸を使うと、移動可能なノッキングポイントを作りことができます。

弦のサービングがボルトの役目をし、ノッキングポイントがナットの役目をします。

ノッキングポイントのTuningが終わった後に瞬間接着剤を一滴たらし、固定します。(なくても自然には動かないが、念のため)

5. サイトピンを弓のセンターに合わせます 
弦、弓の中心、サイトピン、矢のポイントが一直線上にくるようなったはずです。


6. Brace Height(ストリングハイト とも言う)を調整する

弦をねじることによりBrace Heightを調整します。
設定値は、弓の取り扱い説明書にある値の範囲で、中央値より上(中央値と上限の間)の値とします。

少し高めの方が、クリアランス(矢と弓の間隔)の問題が発生しにくいと思います。

Brace Heightの調整により矢が弦から離れる位置を調整することができ、低い方が矢速は早くなりますが、高い方が矢の振動が小さくなります。

7. Tiller Heightを調整する
Tiller Heightは絶対値ではなく、左図のa(上側)-b(下側)の値を求めます。

Tiller Heightをプラス側(Positive Tiller a>b)にする方が多いと思いますが、現在は、0が主流かもしれません。


山本博氏の講習会記録には
○ティラーハイト 
・今の弓はティラー差0で良い(動的ティラー差も) 

の記述があり、

FITA Coach’s Manualには
Recently most archers adjust the tiller to zero. 
(最近、ほとんどのアーチャーはテイラーを0に調整する)

の記述があります。

シューティングテクニックを学ぶ の異端のアーチャー(世界チャンピオンの秘密と技術)には、
 -----------------------------------------------------------------------
ティラーの起源は、スタビライザーやテイクダウンボウ、リム調整ボルトなどが存在しなかった何百年も前である。

弦を引く手と弓を持つ手の位置が違ったため(弓を持つ手が下にくる)、もし弓がしっかりと握られたとき、上リムの方が下シムより強く働く。つまり矢が放たれたとき、より長い距離を動かなければならない。

両方のリムがまったく同時に「ピッタリ合う」ようにするために、下リムは上リムよりも強く作られた。これは、弦の上下のリムまでの距離の差と解釈され(今でも伝統的な弓には適応する)、ティラーと呼ばれるようになった。

途中略

自然にティラー差を持つリムの生産をやめることとなった。下リムがより高いドローウェイトで作られることはなくなった。
今現在では、ほとんどのリムが、上リムと下リムでまったく同じドローウェイトを持っている。(誤差はあるが)

リムボルトを使って弓のティラーを変えることは、現実には、ドローウェイトを変えることではなく、ハンドルにたいする角度を変えるだけである。理想的でないが、実際、角度が変われば上下リムはそれぞれ違う動きをする。 現代の弓においてティラーを調整することは、「弓を引いている時は完璧にバランスが取れているが、動的なレベルにおいて完全に不安定である」と言う馬鹿げた状態に陥る可能性がある。

途中略

最善の方法はティラーをいつも0にすることである。こうすることによって、両方のリムがハンドルに付いた時に同じ状態で働くことを保証できる。

つまり、ティラー差よりも、上下リムの差し込角度が同じである方が大事だ。

----------------------------------------------------------------------------

と、色々ですが、Tiller Heightを0から数ミリに合わせます。

これで初期設定は終わりです、再度 4~7までの寸法を確認します。
Tiller Heightを調整すると、Brace Heightが動くことがあります。

ちなみに、上で参照した数値が載っている資料の初期設定値は次のようになっています。(ハンドル25”、ロングリム の組み合わせの70”の弓の場合)(単位はmmに変換)


項目
私の設定値
Bow Tuning tests
ゴールドプラン
FITA
Manual
EASTON
Gide
Brace Height
238~240
メーカ推奨値幅の上から1/4のところ
222~235
217~225
(注1)
217~225
(注1)
Nocking Point
7.6
3-5
またはTiller Heightと同じ
0(A)
1.6(C) (注2)
上下の幅 
3.2~4.8
5
15.3
Tiller Height
3.0
出荷のまま
3.2~6.3
 0
-
Arrow Centering
1/4(注4)
やや左
1/4(A)(注3)
0(C)
 やや左
弦の右端とポイントの右面が一致
 やや左
Plunger
Spring tension
注5)
50%
ネジ 1/16+
注6)
--40%50%

注1) Tuning前の値、Tuning後の推奨範囲は、216mm~248mm
注2) プランジャーの中心から、下のノッキグポイトまで、A:アルミシャフト、C:カーボンシャフト
注3) アルミシャフトは、プランジャーのセンタースライダーで1/4回転分左に出す、
    カーボンの場合はFull Center
注4) ポイントの1/4の幅だけ左に出す
注5) プランジャーの設定可能なばね圧の最小を0%、最大を100%とした場合のばね圧
注6) 中圧のばねで、中央より、圧調整ネジを1/16回転+側に回す(SHIBUYA DXプランジャー)

私の設定値(Tuning後の値)以外は、Tuning(実際に矢を射て調整すること)前の初期設定値でこれからTuningを開始し、一番グルーピングがよくなる組み合わせを探します。

さて、前置きが長くなりました、その2で本題のティラーハイトについて考えてみます。

2016年7月22日金曜日

練習目標を学ぶ

学ぶシリーズ 015

今回は、私の辿った道(練習目標)を説明します。誰にでも適用できるとは思いませんが、参考になればと思います。

できるだけ本数を、と言うコーチもいますが、果たしてそれがすべての人によいことでしょうか。他に何か効果的な練習方法はないものでしょうか。

何も考えずにただ本数を多く練習するよりは、目標をもって練習する方が効果的(上達が速い)であると考えます。

目標とは、高い点数ではありません。結果として高い点数を得ることができるように射形の改善目標です。

改善目標を「理想の射形」にしてはいけません。まずは、人が見てすぐに分かる悪い点を一つ一つ潰すように意識して練習します。

例えば、「ハンドルを握るな」とコーチに指摘されたら、他のことは忘れて、握らないことに意識を集中して練習し、無意識にできるようにします。

それができたら次の目に見える欠点、を意識し無意識にでできるまで練習します。
そのとき前の欠点がまた出てきます、その時は2つを意識して練習します。

たくさんのことを意識しなければならないときは、練習後に練習記録をつけて、改善ずべき点をメモし、達成できたら消していくとよいかもしれません。

サンデーアーチャーのコーチが見つけられる点は
  • ハンドルを握るな
  • 体の軸が曲がっている
  • リリースが荒い(ひっかかる)
  • リリースが戻る
  • 引手の肘が下がっている
  • 押手を止めろ
  • 力むな(指、肩に力が入っている)
  • フォロースルーをしっかりとれ
  • 射るのが早すぎる
  • 狙いすぎる
  • アンカーが動く
  • 弦を鼻につけろ
  • 弓が傾いている
等々、目に見えるものばかりです。

そんなことを3月ほど続けると、サンデーアーチャーのコーチにみつけられる欠点はなくなり、コーチに注意されることもなくなると思います。

そこからは、自分で目標を設定して、日々改善を楽しみます
そんな、改善を楽しむサンデーアーチャーの練習目標を紹介したいと思います。
シューティングテクニックを学ぶ で異端のアーチャー(世界チャンピオンの秘密と技術) と言う本に触れました、この本の中のトレーニングについて次のような記述があります。

------------------------- 引用---------------------------------
トレーニングの6つの法則
  1. プロのアーチャーでなければ、練習で射る矢の本数のことは忘れて、「質の高い練習に徹する方がよい。
  2. .悪い射はうちつづけないこと。その代わり良い射はうち続けなさい
  3. どのようなミスショットも、二本以上続けてはいけない
  4. Xに入る射の射形の綺麗さと再現性は最も重要事項目である。
  5. 悪いシューティングで結果的に的に入ったXは、よくない。
  6. アーチャーの””は、それまでにうった射の数ではなく、”良い射”から”悪い射”を引いた数と直線的な相関関係があり、それによってアーチャーの”質”は無限に伸びる。
-------------------------引用終わり--------------------------

これを数式で表せば、

  質の高い練習 = 良い射 ー 悪い射
  腕前(質) = 質の高い練習xa + b (直線的相関の数式化)

aは正の数値、bは定数。 早い話、腕前は、質の高い練習量に比例すると言っています。

1日の練習で、100本うち、50本が良い射、50本が悪い射なら練習量は100本でも、質の高い練習量は0本と言ことで、悪い射の本数の方が多ければ、無意味な練習となるばかりか、腕前を後退させる練習と言うことになります。

本数の多い練習量(合計の射の量)は、経験値を上げ、身体的能力を上げるのには有効で、体のトレーニングとして意味あることだと思いますが、我々のように趣味としてアーチェリーをしている人(体力増強も、国体・オリンピックへの出場も目指していない人)こそ、少ない練習量で腕前を上げるために、質の高い練習をすべきとだと考えます。

では、質の高い練習とはどのよなものでしょうか、

    Xに入る射の射形で、綺麗さと再現性がある射形

と言うことになりますが、サンデーアーチャーにとっては、1日に2-3本でも納得の射形でXに入れば御の字と言うところです。

私は、Xでなくても、納得の射形で自分が望む得点より良い点数が出ればよいと思っています。

では、私にとって納得の射形とは、
  • 楽に射ができること
  • サイトがピタリと止まること
  • フォロースルーが理想の形になっていること
  • 課題の修正がうまくできていること
最後の課題とは、30金が出た時の射形の記憶からの違和感を無くすことです。

小ネタ特集にある、 よい射を覚えて、悪い射は忘れろ を実践し、良い射の記憶と比べ違和感がないように射を行うようにしています。

また、点数については、30mで8~10点を設定して練習をしています。

8点となった時は、9点のOnLineに近ければよしとし、7点に近い8点と7点以下の場合は、どこが違っていたかを考え、次の射(次のEnd 注)で修正するように努力します。

注) 肉眼では、どこに矢が刺さったかわからないので、次のEndで修正するため、違和感を頼りに修正します。(現在の私の違和感は、主に尺屈の強さです)

なぜ、7点を判断基準としているかと言うと、練習(約2時間半、100射)で3-4本の7点が出ます。 この7点を何とか撲滅したいと現在努力中です。

9点を判断基準したら、1日中反省をしていなければなりませんし、目標はくです。

7点がでなければ、統計学入門 その3 (バラつきと得点の関係)に書いたように330点がコンスタントにでるようになると思います。


7月の点数記録(30m 36射)
7/7     329点 8点3本 7点2本
7/12 332点 8点3本 7点1本
7/14 325点 8点7本 7点1本
7/14 331点 8点5本 7点1本
7/16 334点 8点5本 7点1本
7/21 322点 8点8本 7点2本
7/21 326点 8点5本 7点1本
7/21 332点 8点5本 7点0本
平均 329点 8点5本 7点1本

出そうで出ない「7点なし」です。

そんなわけで、サンデーアーチャーのコーチになにも指摘されなくなった人は、練習中にたまに出る例えば、
  • 200点代の平均点の人は、2点から4点以下
  • 300点平均の人は5点以下
  • 310点平均の人は6点以下
  • 320点平均の人は7点以下

の悪い点を撲滅するための練習目標を考えてはいかがでしょうか。

平均点は高いが、時に大外れをする人は、まず、大外れの撲滅が先になります。 大外れは、目に見える問題点があるはずです。

よい射を覚えて、悪い射は(反省してよい射にして)忘れろ! です。

がむしゃらに練習せずに、自分の射を自分の五感で見直し練習してみてはいかがでしょうか。
1日の練習で反省する射は、10本以内のものに限定しましょう、反省ばかりでは楽しくありません

反省する点はなんでもかまいません、前記のサンデーアーチャーのコーチが見つけられる点 に相当するもので、些細な動きで発見できない射形の欠点が大半です。

実際の外れた原因と違っていてもかまいません、自分で変だと思ったところを直しましょう。

340点を超える人によれば、気持ちの持ち方の問題などと言う次元の違うことを言う方もいますが、当方理解はできません。(一度理解してみたい)

2016年7月13日水曜日

弦サイトで狙うを学ぶ

学ぶシリーズ 014

弦サイトについて考える」で、弦サイトの目的は、利目と弓の左右の位置関係を常に一定とし、狙いの精度を高めることと書きました。

また、「アンカーで狙うを学ぶ 」では、アンカー位置と目の位置を常に同じにすることで、的を狙う四角形を一定に保つことができると書きました。

では、アンカーと目の位置関係が変わると弦はどのように見えるかを考えてみます。

利き目にカメラをつけて、動画を撮ればすぐにわかりますが、装置がないので二枚の絵で代用します。

左(1)は、目、弦、サイト、的のすべての中心が同一ライン上にある時の弦の見え方です。

弦の中心と瞳(視線)が同一線上にあるので、あご先に付いた弦(アンカーポイント)の位置は、瞳(視線)の真下に来ています。

サイトの中心に弦があり狙いにくいですが、弦はぼやけているので、的を狙えないこともありません。

右(2)は、視線をサイトの中心に置きながら、目を少し左に動かした(気持、顔を左に傾けた)時の弦の見え方です。

視線をサイトの中心に置いていても、目の位置を動かしただけで見え方は変わります。

弦は右側に大きくずれています。 これは、弦が目の近く(3-5cmの距離)にあり、視線からずれる角度が大きく、大きく移動して見えます。

一方、的は、目からの距離が弦に比べて遠く(目から30m先)視線からずれる角度が小さいので、ほとんど動いては見えません。

このように、少し目の位置をアンカーポイントから左右に動かしただけで、弦の見える位置が大きく違って見えます。
この性質を利用して、弦がハンドル上に見える位置を常に一定にすることで、目とアンカーポイントの相対位置(水平距離)を一定に保つ狙い方が、弦をサイトとして使う方法です。

さて、目のアンカーポイントからの水平方向のずれが、どれくらい弦の位置のずれとしてあらわれるかを計算してみます。

私の弓・体の大きさを計測したデータを用いて計算してみます。

目から的までの距離: 30m (30,000mm)
目からサイトまでの距離: 90cm (900m)
目からハンドルまでの距離: 61cm (610mm)
目から弦までの距離: 4cm (40mm)
目とアンカーポイントの水平距離: 1mm (左に目が1mm動いた状態)

関係を上から見たところ(的方向と直角方向で縮尺がちがいます)(的付近はNone Scale)




計算結果は、(1)のすべてが中心にある状態から、目の位置が1mmずれると(2)の状態となり、弦がハンドル上のアンカーポイントから約1.4cm(14mm)の位置に見え、視線の中心は、的の中心から約3.2cm(32mm)右にずれた位置となります。

この状態で、サイトを的の中心に合わせる(3)と、実際の矢の向きは的の中心から左に32mm外れた位置に飛んで行くように設定され、完璧なリリースをしても、矢はXを外れて10点の9点よりに刺さります。


このように、アンカーの位置が正確でも、アンカーポイントと目の距離が変化すると矢は狙ったところへは飛んでいきません。

アンカーポイントと目の距離が変化する(弦サイトがずれる)原因として考えられるのは、

  • アンカーポイントが顔の決まった位置にない
  • 顔向けが変化する
  • 顔が左右に傾く
  • グリップを握り弓をねじっている
等が考えられます。

理想的な弦サイトの位置はありませんが、ドローイング中に顔向けを動かさず、アンカーに入ったとき、ピタリといつもの位置に弦が見えることが重要です。

弦サイトを合わせるために、顔向けを動かすことは最小にしなければなりません。顔(視線)を動かすと、体軸も動き体の傾きを生む原因となります。

ちなみに私の弦サイトは、計算上の目とアンカーポイントのずれが0.7mmの位置です。(左の図)


蛇足ですが、アンカーポイントと目の上下の位置関係は、弦が鼻の頭につく強さで確認しています。

・強すぎると: あごを引いているので、目とアンカーの距離がちじみ、矢は下に行きます
・当たっていないと: あごを出しているので、距離が延びて、矢は上に行きます

顔のあごを強く引く、出すの違いで点数的には、1点弱程度違ってきます。

2016年7月7日木曜日

弦のあたりで押手を学ぶ

学ぶシリーズ 013

弦が押手に当たると痛いので対策を考えます。
ます、自分の押手の腕の形を確認しましょう。

腕を伸ばした時に肘が、
① ほとんど180°になる人(特に呼び方はない)
② 180°よりさらに肘が開く人(猿腕の人
③ 180°に到達しない人(ロッキング症状)


②は女性に多い腕の形です。
(画像:https://moteco-web.jp/diet/20139 より)

③は肘関節の炎症(スポーツ、重労働)、肘関節内骨折などによる症状・障害です。
私は、③ですが、今回の検討からは除きます。

アーチェリーは、「弓を押す」で、①の人は普通に腕を伸ばして、弓を押せばほとんど問題(注)は発生しませんが、②の猿腕の人は前腕が弦の軌道に入り、弦が当たり痛い思いをすることがあります。

注) ①の人でも肩を入れたり、グリップの押す位置が悪いと弦が腕にあたりますが、正しいグリップ及び肩の位置とすれば弦は当たらなくなます。
緑の線が猿腕の人の腕のライン
腕に弦が当たるその傾向と対策を考えてみます。

傾向: 弦が押手に当たるのは、前腕が弦の軌道に入るためです。

対策:
  • 弦の軌道を変えるか、
  • 腕の位置を変れば
当たらなくなります。(とっても簡単です)

弦から矢が飛び出すまでの軌道は、パラドックス に書いたように、リリースの時、弦が指に沿って
左(右ききの場合)の方向に離され、押手の腕に近づきながら逆S字を描きます。

この逆S字の弦の盛り上がりを少なくできれば、弦が腕に当たるのを防ぐことができます。

方法として、

  • きれいなリリースをする
  • ブレストハイト(ストリングハイト)を上げる
などがあります。

きれいなリリースは、弦が滑るときに完全に指の力を抜き、弦の引っかかりを無くせれば可能ですが、一朝一夕にできものではなく、速攻性のある対策ではありません

ブレストハイト(ストリングハイト)がメーカーの推薦範囲内で腕に弦が当たるなら、弦が腕に当たらないようにハイトを上げる緊急対策があります。

ブレストハイトを高くすることにより、

  • 弦の逆S字の盛り上がりを前腕の当たる部分より体側(引手側)寄せる
  • 弦の長さを短くし、張力を上げることで盛り上がりの高さを低くする
により、前腕に弦が当たる可能性を抑えることができます。
矢のグルーピングなどにハイトの高さは影響しますが、腕に弦が当たるという問題の解決を優先した方がよいと思います。

射形の矯正(肘を返す等)ができ、リリースがきれいにできるようになれば、ブレストハイトをもとに戻すことができます。

次に、前腕を弦の軌道から外すには、一番弦に近い肘の部分を弦の軌道から遠ざけるのが効果的です。

方法として

  • グリップを持つ手の甲を地面に対し傾ける
  • 押手の肘を返す
  • 押手の肘を全く返さない
などがあります。

グリップを持つ手の甲を地面に対し傾けるは、

  • 押手の前腕全体が少し弦の軌道から離れる
  • 押手の肘の内側の窪みの傾きが少し垂直に近づき、少し弦の軌道から離れる
の効果があります。

これは自然に肘が少し返り、特に練習をしなくても、グリップの形を注意するだけで、肘を返す効果を得ることができるようになります。

次に、押手の返しを考えてみます。
押手を返す場合は、上の図のように「
グリップを持つ手の甲を地面に対し傾ける」を併用すると効果的です。

まず、押手の肘を返さないで普通に腕を上げると、肘裏の窪みを通る線(下図の矢)は水平に対し45°くらいになると思います。



肘を返すと、肘裏の窪みを通る線(図の矢)は垂直方向をさします。
この角度の変化により、肘の関節の弦側に出ていた部分が、真下を向くことになり、弦から離れ当たる可能性を低くします。

この肘を返すは、弓を持たずに上の写真のような練習をすることで、短期間でできるようになると思いますますが、弓を引きながら習得するのは難しいと思います。




肘を返す体験は、バレーボールのレシーブのように、両手を前で組んで、肘を両側に広げて肘をひねります。

このひねりで、肘の先が水平に対し45°から真横に向を変えます、これが肘を返すことで、肘を返す体験ができます。

肘を返すことが実感できたら、上の写真のように柱の角などで、肘を返す練習をします。(45°を向いている肘先を真横に向ける練習)

うまくできるようになったら、実践で試してみます。



ここまでの3つ(ハイトを上げる、手の甲を傾ける、肘を返す)を併用することで、ほとんどの人
は弦が当たらなくなると思います。

それでも弦が腕に当たるような極端な猿腕に、「肘の返し」で対応するには肘先が上を向くくらいに返すしかありません。

しかし、極端な返しは矢筋と違った方向に回転の力を大きく掛けなければならないため、肩が入りさらに押手が弦に当たる悪循環に陥ることがあります。

最後の方法として、「押し手を返さない」です。
猿腕の人は腕に力を入れ突っ張ることで、肘が180°以上に開いてしまい、肘の出ているところが弦の軌道に入っていきます。



究極の「押し手を返さない」は、腕に力を入れ突っ張るをやめて、押手に力を入れずにやや腕を曲げた状態で弓を引くことです。

力を入れなければ、肘が開くことはなく、肘が弦の軌道に入らなくなります。

この射形は、押手をやや曲げて押手の肩を下げますが、習得するのはかなり難しいと思います。(私はうまくできません

練習方法は、肘を返さずに、肘を軽くV字に曲げて柱を押し、力を使わなくても骨だけで押す感覚を掴み、肩の力を抜き、押される力を骨で固定するイメージです。

と、実践できないのでイメージだけ書いておきますが、これが理想の押手かもしれません。

2016年7月1日金曜日

600点への長い道のり

2013年9月 600点を目指す で600点を目指してから3年弱、ついに達成しました。

長い道のりでした、50m 281点、30m 325点 合計 606点です。

6/4に清里合宿があり、50mの最高点281点(今までは、2013/9/28の279点)は、久々に50mを1回点取りした時のものです。

30mは、2014/8/13の336点が最高点で、自己新は更新できずですが、50m-30mの2回(連続の合計)で600点達成が目標でしたので、目標を達成したことにないります。

今日、スコアーカードを整理していて気がつきました、確か600点を目標にしていたと!!!
50mでは4点が4本ありましたが、その他は7点以上の点数でまとまり、目標達成です。

さて、次の目標は???

練習を始めてからの最高点は、
50m 281点 2016/6/4   Ave. 7.8
30m 336点 2014/8/13  Ave. 9.3
18m 277点 2014/12/28  Ave. 9.2

となっています。 

2014年から進歩ではなく後退が始まっていたことは確かです。



2016年6月28日火曜日

指の形で取かけ(引手)を学ぶ


学ぶシリーズ 012

良い取りかけは、リリースまで滑ることなく、しっかり弦を引き、矢筋の方向以外に余計な力を弦に作用させないことです。

指の本数、取りかけの仕方についてルール上は何ら制限はありません。握ろうと、滑れらせようが、5本の指を使ってもよいことになっています。

しかしながら、3本の指(指示指、中指、薬指)以外を使っている人を見かけることは稀です。
私は初めから2本の人は見たことがありませんが、アンカーで2本になる試してみたことがあります。

では、なぜ3本の指を使うのが一般的なのでしょうか?

1. 1本では大きな力に耐えられない
2. 小指は力がないので、あってもなくても同じ、短いし
3. 親指は、弦に届かない
4. 2本より3本の方が???(理由が見つかりません)

で、3本なのかと思いきや、2本でも弓を引くことは十分できます。(なれの問題かもしれません)

手の形は十人十色で、取かけはアーチャーの数だけ存在します。

もし、指の長さがほぼ同じであれば、指の第一関節も同一ライン上なるので、理想の取りかけは、3本(指示指、中指、薬指)の第一関節に弦をかける教えれば終わりです。

実際は指の長さに差があり、取りかけの位置や負荷のバランスをどうするか難しい問題が発生します。

私は以下のような一般的な取かけです。
  1. 指示指は矢の上
  2. 中指と薬指を矢より下
  3. 弦は指示指と薬指の第一関節に、中指は、第一関節と第二関節の間
  4. 指示指が矢に触れ、中指がわずかに矢から離れる
  5. 親指の先が指示指の先に付く
  6. 小指は軽く折り曲げる
  7. 指の第一関節と掌が同一面
1,2は、教えられたことを疑わずに今も守っています。
3.は、自分の指に合わせていろいろ試してみた結果です。

4.は、レストダウンを起こさないように、矢に当てる指は指示指にしています。
中指で上向きの力を矢に与えると、矢はレストから確実に浮き上がります。(レストは上からの力には耐えられますが、矢が浮く方向には無力です)(下の図

5. は、親指で指示指の位置を決め、握り込みを防止し、指が常に一定角度で弦に当たるようにしています。

6.は、現在模索中(ピンキーレストをやめたので)

7.は、手のに力を入れずリラックスさせるための方策です。

負荷のバランスは特に意識したことはありません。指の形と引手の肘の高さで自動的に決まります。

また、リリースまで指の形は変えないように努力していますが、中指の弦は第一関節側に少し滑っていきます。

今日は、理論的な学ぶは、自由支持の問題のみ(下の図)
中指で矢を押すと矢はレストから落ちる。(指示指は落ちない)
左側の▲がレスト、右側の▲▼がノッキンクポイト、 ⇒中指、黒い棒は矢

2016年6月22日水曜日

前鋸筋で押手の伸びを学ぶ

学ぶシリーズ011

アーチェリーの一流選手と普通の人との大きな違いは、脇の下の筋肉(前鋸筋(ぜんきょきん)が発達しているところだと言われています。

前鋸筋は、脇腹の肋骨と肩甲骨の裏をつなぐ筋肉で、肩(肩甲骨)を外側に押し出します。




The Serratus Anterior muscle controls the scapula when extending prior to the release.

☜リリース前に伸びるとき、前鋸筋は肩甲骨を制御します





前鋸筋をうまく使えば、楽にクリッカーが切れ鋭いリリースが可能になりますが、前鋸筋は意識して動かすことが難しい筋肉です。

前鋸筋が動いていることを感じるには、
  1. 腕を「前へならえ」のように出します
  2. 肩が動いていない状態から、腕をさらに伸ばそうとしてみてください
  3. 肩が前に出ていきます
  4. 片方の手で、突き出ている腕の脇の下を触れると、筋肉に力が入っているのが感じられます
  5. この筋肉が、前鋸筋です
肩甲骨は
  1. 挙上(肩をすくめる)
  2. 下制(床を押してお尻を持ち上げる)
  3. 上方回旋(腕を上に挙げる)
  4. 下方回旋(腕を下に下げる)
  5. 外転(腕を前に出す・胸を閉じる)
  6. 内転(腕を後ろに引く・胸を開く)
という6通りの動きがありますが、
前鋸筋はこのうち肩甲骨の外転運動を行います
肩甲骨の外転運動は体の中央に寄っている肩甲骨を外側へ開く動きをし、伸びきった腕をさらに外側へ押し出す力も前鋸筋です。
ぎりぎり手が届くようなものをつかもうとするときに最後に伸ばす動きをするのはこの前鋸筋です。

エアー素引きで引手を学ぶに書いたように、弓を引く引手は内転運動で広背筋(広背筋で引手の肘を学ぶ )を使いますが、リリース前の伸びは、前鋸筋を使って肩を外側に押す外転運動でクリッカーをおとします。

引手側でクリッカーが落ちる寸前まで引いている状態で、クリッカーを落とす距離はほんの数ミリなので、前鋸筋でほんの少し肩を外側に動かすことさえできれば、自分のタイミングでクリッカーを切ることができます。

前鋸筋を意識して使うことができれば、簡単な話ですが、前鋸筋は意識して動かすことが難しいので別の意識の仕方を考える必要があります。

私は、クリッカーを切るタイミングで、押手の親指と指示指を、脇の下を意識しながら、さらに前下に出し届かないものに触る意識 (押手を押す意識はだめ、肩が上がり震える)をすることで、肩が外側に動くようになり、クリッカーが1cmほど後ろにさがりましました。

意識の仕方は、それぞれなので、押すのではなくて伸ばす意識の仕方を考えてみてください。(このとき、引手がわの引き続けるを忘れずに!!)

クリッカーの切り方(伸び方)にはいろいろ流儀があるようですが、

<私の場合は、 押手---外転、引手---内転 です。 

2016年6月16日木曜日

広背筋で引手の肘を学ぶ

学ぶシリーズ 010

引手の肘の高さは、「目と唇の間」にあるのがよいとされています。
最適な高さは、その人の骨格によって決まるため「目と唇の間」で、快適に感じる高さであればよい訳です。

引手の肘を高くしすぎると、引手で自分の肩を引っ張り上げます。
押手・引手とも肩は出来るだけ低く保つ事により、リリース前の最後の伸び合が可能になります。

肩が上ると引尺が短くなり、引手の肘の高さを考えるにあるように、引手の手首に力が入り、余計な力が矢に働きます。

引手の肩が上がらない、肘の高さは、後ろから見た時水平線に対し45°ぐらいです。


この高さが、目の高さと大体同じになります。

では、低い方はどこでしょうか。

やってみれば分りますが、引き手の肘を矢より低くしてドローイングすると背筋を使う事が出来ず、腕の力で引くことになります。

腕で引くと引手の手首・指に不必要な力が入り矢に余計な力を与えます。
また、腕で弓を引くと身体を壊す原因となり、アーチェリーを続けることができなくなります。

では、なぜ肘を上げないと背筋が使えないのでしょうか。
弓は背筋を駆使して引きますが、広背筋が主役になります。

広背筋は脊柱と骨盤後部から上腕骨(上腕)をつなぐ大きな筋肉で、いわゆる逆三角形を形作る主な筋肉で、腕を後方・下方に引き寄せます。

この広背筋は、バックテンションを体感してみるに書いたように懸垂(チンニング:肩幅より広い手幅で、順手で行う懸垂)をするときに使う背中の筋肉で、両腕を下におろし、おしりの所で合わせると完全に緩みます。広背筋は腕を下げれば緩み、上げれば緊張する筋肉です。


上腕骨(上腕)を広背筋が引く様子を図式化したのが下の絵です。


この絵は、右利きの人が弓を引くときの力のバラスを背中側から見たものです。

1.黄色の矢印: 
引手に掛かる弓からの反力で、前腕を通じて引手の肘に作用します。 この時、脱力した前腕はロープのようになり、力の方向に一致します。(骨は引く力には無力です)

2. 赤色の矢印: 
黄色の力が肘に作用すると、力の一部が肘の関節を通じて上腕骨を押す力となります。
前腕と上腕には角度があり、残りの力は、肘を前に戻す力となります。

3.緑色の矢印: 
上腕骨は肩甲骨で支えられ肘が体の方に動くことはありません。(骨は、押す力に棒として働きます)

4.薄い赤色の矢印: 
上腕骨に繋がる広背筋に力を入れると、上腕骨(上腕)を後方・下方に動かす力が働き、肘を前に戻す力を打ち消し、肘を背中の方向に動かします。
最終的にはこの力で矢筋を通します。

引手の肘が、矢より低いと(前腕が下を向くと)、広背筋の力がうまく働がず、肩甲骨で上腕骨を支えることも出来ず(肩が上がり)、腕の力で弓を引かなけばならなくなります。

引手の肘が低いと押手の押す力と引手の引く力のバランスが崩れ、引き尺が短くなり良いリリースはできません。

肘を高くすることで:
  1. 肘を前に戻す力を消し、矢筋を通すことができる
  2. 肩甲骨で矢を引く力を支える事が出来る(筋力がいらない)
  3. 肩が上がらない
  4. 最後の伸び合いができる
  5. 強い弓が引ける
の特典がついてきます。

引手の肘はドローイングの開始前から、リリースまで目の高さにあるよに意識することで、最終的に「目のと唇の間」に入ると思います。

また、ドローイングを肘でする意識を持つと、広背筋を上手く使えると思います。


2016年5月27日金曜日

タブの改造 その2

またまた、タブを改造してみました。

前に、タブ改造ピンキーとサム レスト で改造してみましたが、今度はほとんどオリジナルに戻しました。


左が使用中の改造前、右が改造後(予備)です。

ピンキーレストとサムレストをとり、ついでにアンカーパッドもなくしました。
右の丸いゴム状のものは、親指を触れさるもので、サムレストの代わりです。(のせるものではありません)

改造した理由は、ピンキーレストとサムレストを使うとアンカー時にタブを強くあごに押し着けてしまい、あごが傷つくことがあるためです。

アンカーパッドは、右の改造前でとったののですが、その症状が取れないので、オリジナルに戻してみました。

明日、テストです。


------------- テストの結果----------------------

サイトが3mm下がった(30m)。
上下方向が不安定。

原因は、引手の指をあごに当てる強さにばらつきがあり、強くあてると下がり、弱いと上がる。
ピッタリのところを見つけるのが難しい。

よって、アンカーパッド復活の結論。 
あごのすり傷はパッドの角度を調整して何とか回避できるか、再度試射。--->Ok

----------- さらに改造----------------------------
ピンキーレストをやめたら何かタブが動くような気がして、薬指用の止めバンドをつけて、今回の改造は終わりとしました。